散歩から始まる冒険

初夏のある日、小さな冒険をした。
最初はただの散歩、そう思って家を出たが、小樽の新たな一面が見えた日だった。小樽は大きい道から一歩外れたら、細い路地に出ることがほとんどで迷路みたいだ。
水天宮神社を通って堺町通りに行くコース。歩いている途中に、木の葉がアーチを作っているかのような道があった。まるで自分がジブリの世界の一部になっているかのようで少し興奮した。
また、小樽には当たり前だがたくさんの坂がある。高台に上らなくても少し坂を上るだけで海を見ることができる。どこまでも続く瑠璃色に包み込まれる。身近に海が感じられるのはいいなあ。
さわさわと気持ちのいい風。海風が草木のにおいを運ぶ。散歩をしている途中で黄色い消火栓を見つけた。私は赤い消火栓しか見たことがなかった。赤と黄色の違いは何だろう。意味があるのだろうか。帰ってからわからないことを調べるのも、散歩の醍醐味。
堺町通りに着いて、一番初めに耳にしたのは、風鈴の音だ。なぜ風鈴の音がするのだろう。そう疑問に思ったが、答えはすぐそこにあった。町の街灯に風鈴が括り付けられていたのだ。チリンチリンと音を立てて私を出迎えてくれる。風鈴があるだけでなぜこんなに涼やかな気分になれるのだろう。
帰り道、ふとお店とお店の間の路地をみると、そこにはけんけんぱの丸が書かれてあった。うわあー、懐かしい!横の看板を見ると、けんけんぱ前派出所と書いてあった。思わずしたくなってしまう。幸い、あまり目立たない路地にあるので、大人もこっそりけんけんぱができる。
小樽の小道を彩る花々たち。道路の真ん中にチョークで描かれた落書き。きっと地元の小学生が遊んだのだろう。
外を歩けば、たくさんの出会いがある。人だけではなく自然や発見、思い出も。でも、どれもよく目を凝らさないと見えないもの。観光名所のような、わかりやすい素晴らしさや輝きではなく、普段の何気ない通学路や通勤路、散歩道にわくわくが転がっている。私はこんな小樽が好きだ。
さあ、次はどこを冒険しようか。新たな出会いに私は思いを巡らせる。
(あられ)
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※本記事の内容は2022年7月時点の情報に基づいたものです。
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写真:眞柄 利香