しずか号

 令和に突入した連休に、小樽市総合博物館本館にしずか号を見に行ってきた。ご覧のように、しずか号は西部劇に出てくるようなアーリーアメリカンスタイルの蒸気機関車である。アメリカビッツバークのポーター社製で、官営幌内鉄道が開通した明治13年(1880年)から約10年間で合計8台同型機関車が輸入されているという。

 この8台のうち6台目までは弁慶号、義経号などの和名が付けられている。観光ガイドブックや、鉄道関連本にも度々掲載されているので、大変馴染み深い蒸気機関車である。また、しずか号を含めた前述3台は現存し、鉄道記念物として登録されている。

 しずか号が展示されている小樽市総合博物館本館は、昭和37年(1962年)北海道鉄道記念館として現在地である旧手宮駅構内に開館している。

 平成8年(1996年)、小樽市交通記念館と名称変更とともに全面改装し、ほぼ現在の形になっている。そして、平成19年(2007年)7月、緑町にあった小樽市青少年科学館と機能統合し現在に至っている。

 ちなみに、しずか号は鉄道記念館だった頃は、現在国の重要文化財に指定されているレンガ造り旧手宮機関庫の中で展示されていた。そして、小樽市交通記念館の時に、現在の正面入り口前特等席に移され、入館者をお迎えする役を仰せつかっているということだ。
私は、どの名称の時代も毎年何度か訪れ、鉄道関連施設を堪能している。

 余談だが、源義経と静御前の悲恋にあやかり、義経号としずか号は合計4回再会を果たしている。昭和27年(1952年)の東京にはじまり、昭和43年(1968年)、昭和55年(1980年)は北海道鉄道記念館の時代に、そして平成14年(2002年)は小樽市交通記念館の時代にと合計4回再会イベントで大いに盛り上げている。

 令和の新時代になったので、そろそろ小樽で5回目になる再会イベントの声が聞こえてきそうな時期なのだが・・・。

 日本人は源義経、忠臣蔵等悲劇の主人公が大好きである。北海道最初の鉄道手宮線を最初に走った機関車は弁慶号なのであるが、悲恋の二人には敵わないと言う事を付け加えておくとするか・・・。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2019年5月時点の情報に基づいたものです。