地獄坂の先にあるものは…

 私のお気に入りの場所は、小樽と海を一望できる図書館だ。大学で初めて経験する空き講。商大の事をまだよく知らない私はどこに行ったらよいのだろうとさまよい歩いていた。

 1人だからまず図書館に行くことにした。3階の窓からみた目の前に広がる景色に感動した。図書館でなければきっと声を出していただろう。
 今までの私の日常生活の中で、こんなにも景色の良い図書館に出会ったことはない。だからこそ、大学の「ただの図書館」から広がるスカイブルーの世界に心を奪われた。この出会い以降、空き講の時間はいつもこの場所ですごしている。

 これからは景色を皆さんに想像してもらいたい。
 商大に通うようになって最初に皆が感動するのは列車から見る“海”である。しかし毎日見ていると大概の商大生は海に対して感動することはなくなる。だが、図書館から見る海は列車からみるものとは異なった表情をしている。

 ぼーっと海を眺めていると、一見動いてない様に見える船でも、船が通った後にできる白い波が少しずつ長くなっていくのがわかる。船の動きが海からこんなに離れた場所でも波のおかげで発見できる。列車から見る船のスピードより圧倒的にゆっくり感じられる。

 時々ブルブルという音が聞こえることがある。ヘリの音である。このような小型機が飛んでいる姿を目にすることが出来る。これらを頭を上げずに見ることが出来るのだ。

 右手に目をやると天狗山を見ることが出来る。天狗山は素晴らしい景色を見ることが出来ることで有名だが、山から見ているため山自身は見ることが出来ない。

 青い海と空そして緑の山を一度に見ることが出来る場所はたくさんあるのだろうか。そう考えるとこの景色は本当に贅沢なものであると思う。

 標高約130メートル。それが私たちをとりこにする景色を生み出している。小樽市民は日々少し足を延ばせばこのような景色を見れる生活をしている。
 小樽に来たからには名所をまわるだけでなく、“日常”に隠れている癒されるスポットを探してみてはいかがだろうか。小樽の日常にはアッと驚くような風景が広がっているだろう。

(M,M)