小樽市学校給食センター

 40年以上にわたって小樽市内の小中学校に給食を供給していた、新光とオタモイにあった学校給食センターが廃止され、新たに勝納川沿いの旧雪の花酒造跡地に新小樽市給食センターが、平成25年(2013年)7月に完成した。

 早速、その年の秋に、小樽南ロータリークラブの職場訪問例会で、給食センター内を見学させていただいた。

 まず最初に、市職員のセンター長から、施設の説明をレクチャーいただいた。なんでも、文科省の学校給食衛生管理基準に適合したドライシステムを取り入れているそうだ。ちなみに、最初に市職員と記載したのは、最近の市の施設の新たな流れの中、この給食センターにも市の職員は2名しかいないということなのだ。残り約70名は委託された民間企業の社員が市営の施設で働くという事のようだ。

 さて、話しは前述の厳しい基準をクリアしたドライシステムに関して。それは、床面がつねに乾燥していて、湿度も一定に保たれている状態のことだそう。私の記憶している昔の給食室のイメージだと、長靴をはいた給食のおばさんが、常に濡れたコンクリートの床で調理していたので、大変驚かされた。床面に水が流れていないので、細菌の繁殖を防ぎ、はね水による汚染や食材の二次汚染の防止になるとのこと。

 また、調理に火は一切使わず、焼くと蒸すができるスチームコンベクションオーブン5台を使用している。献立も常時2種類用意し、万が一どちらかに食中毒が発生しても、小樽市内小中学校全校に被害が及ばない対策も取っているとの事だ。

 また、汚染区域、非汚染区域、従業員区域、管理区域と完全に分けられていて、準備室でのエアーカーテンを経由しなければ他区域に入室できない構造となっている。日本の衛生管理最前線を見学させていただいた。もちろん、見学の私たちは、2階の見学スペースから見させていただいたので、このような厳しい管理はされなかったのだが。

 忍路や銭函、センターから遠い学校から配送に行き、近場の学校が最後に配送されるのは、以前からかわらないシステムだと思う。

 最後にセンター長が、この役職が解かれるまで食中毒の起こしそうなものは、一切口にできないと言っていた。生牡蠣は大好きなのに・・・、と苦々しく言っていたのを忘れない。

(斎藤仁)