梅の屋

花園銀座街、しかま寿司の裏に一軒家を改装した「梅の屋」という今流行の民泊がある。ご存じの方はそういないと思うのだが・・・。

ここは、小樽で昭和40年代後半からダンスホールエンペラー、喫茶店コロンビアなどを手広く経営していた新谷さんという方の大きな自宅だったところである。当初、エンペラーの3階に新谷夫妻は住んでいたのであったが、更にここに新居を構えたのであった。

ちなみに3階も自宅機能をそのままにして、私たちがダンスのイベントをエンペラーで開催すると、控室として利用させていただくことも何度もあった。こちらも屋上庭園付きの大邸宅で・・・、ただ、奥さんは3階まで階段で上がるのが大変だったとか・・・。

さて、梅の家に話しは戻り、当時は周りに古い家やお店、はたまた半分傾いたような空き家が立ち並び、雑然とした場末感満載の奥まった場所に建った、新築の大きな家という感じだった。入口のある仲通りから家を見る事は叶わなかったのだ。

しかし、傾いたような古い家はすべて解体され、写真左側この梅の屋の駐車場になっている。仲通りからの見通しもよくなり、明るい感じになっていた。

その新谷夫妻には子どもは無く、長らく周り同様空き家であったのだが、近年ニセコを中心に民泊、コンドミニアムを経営する中国系の会社が、まわりの土地と共に買い取り、改装し法律に則った民泊に衣替えしたのである。

その中国系の会社社長は、小樽商大の留学生として来日し、小樽で学び生活し起業した30歳代の方だと、近所のお店の方が教えてくれた。

なんでも、ネットで予約してカード決済すると、部屋の郵便ポストの暗証番号を教えてもらえ、その中に部屋の鍵が入っているというシステムの様だ。余計な人件費もかからず、画期的な方法である。全国津々浦々に空き家を利用した民泊施設ができるのもうなずける。

値段もリーズナブルで、大手民泊総合サイトでは、中国語や韓国語での多くのレビューの書き込みも見受けられる。グーグルの翻訳アプリによると清潔でリーズナブル、買い物にも便利等多く書き込まれていた。小樽にも新しい波が押し寄せているようだ。

(斎藤仁)