夜の水族館「トドのトワイライトダイビング」

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夏は夕焼けが綺麗なことで知られる祝津だが、祝津にあるおたる水族館の夏の営業は通常5時までで、いつもの夏なら夕焼けの時間帯まで水族館に滞在することはできない。だから、夕焼けを見るためには祝津パノラマ展望台に行くしかない。

だが、今年の夏、おたる水族館で午後8時まで営業する「夜の水族館」が初めて行われることになった。しかも、金曜日と土曜日の限定8回。
「これは是非とも晴れた日に水族館に行って、海獣公園から夕焼けが見たい!」
そう思った私は、晴れた金曜日、仕事が終わると早速おたる水族館へ。

展示室はいつもより照明が落とされ、暗くなっている。夜の雰囲気満点、ちょっとロマンチックで、水族館が最近デートスポットとして注目を浴びるのも納得。いつも見ている魚たちも不思議と幻想的に見えてくる。

夜の水族館のメインはトドのトワイライトダイビング。夕日をバックにトドたちが豪快に水しぶきをあげてダイビングしてくれる。
ショーが始まると飼育員さんがちゃんと撮影のベストポジションやタイミングをアナウンスしてくれるので、誰もシャッターチャンスを逃さない。
勇壮な音楽をバックに次々とトドたちがダイブしていく。大きくあがる水しぶきが夕日に照らされてオレンジ色に輝く。最後にポーズを決めるトドたちの体も夕日のオレンジに光っていて、まるで美しい彫刻のよう。

これだけでも十分だが、このあとには夜の海獣公園ガイドツアーやナイトバージョンのイルカショーまであり、最後には海獣公園から美しい夕焼けまで見られる。
いつもはパノラマ展望台の高いところから見下ろすことしかできない祝津の海だが、夜の水族館では海のすぐ近くまで降りることができる。オレンジやピンクの夕焼け空の色が目の前の海に映り込む贅沢な風景を堪能できる。

ガラス作品と熱帯魚の水槽に展示するグラスアートアクアリウムや、イトウ水槽前のフロアで繰り広げられる魚たちや海獣たちのプロジェクションマッピングも見逃せない。
何度でも夜の水族館に足を運びたくなった私にとっては、冬に年間パスポートを買っておいて良かったと実感する一日だった。

(まがら りか)