スキー

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小樽商大には、何と「スキー授業」がある。

・・・もう30年以上前の話である。

大学生にもなってスキー授業があるとは、
夢にも思ってなかった。
が、せっかくの小樽だも、あの有名な「天狗山スキー場」にでも
連れて行ってもらえるのだろうと、勝手に想像していた。

甘かった。

天狗山スキー場じゃなかった。
いやいやそれどころじゃない。

スキー場でなかった。

学校の裏にある、ただの山の斜面だった。

スキーをはいた大学生が、学校の裏山の斜面を上り、
「はい!」
との先生の号令の元、その斜面を滑り降りる。
これが「小樽商大のスキー授業」である。

「小学生か!!」って思った。

やがて授業は終わり、めでたく単位をいただいた。
が、そのスキーを家に持って帰るのが何とも面倒臭く、
結局、軽音楽部の部室に置いたまま、僕は卒業した。

そして、しばらくスキーとは疎遠になった。

が、結婚して子供が小学生になった時、復活した。
僕が住む札幌では、小学校でスキー授業がある。
そして、授業が始まる前に、子供をスキー場へ連れて行き、
ある程度慣れさせなければならない。

僕がよく行ったのは「朝里川温泉スキー場」だった。
朝里川温泉スキー場は、一見小さそうだが、
実は9つのコースがあるとても大きいスキー場である。
頂上へ行くには、リフトを3つ乗り継がなければならない。

コースにはそれぞれ特徴があり、
小さな子供から上級者まで楽しめる。
そして、子供が成長するに従って、
だんだん難しいコースを滑るようになる。

「ちょっと前までは、あそこで滑ってたのになあ」
と、子供の成長を思い、少し感慨深くなったりもする。

が、そう思うのもつかの間。
数年後、お父さんは子供についていけなくなっていた。

「朝里川温泉スキー場」の名前の通り、
山のふもとには多くの温泉がある。
そして、リフト券と温泉がパックになったお得なセットがある。
スキーが終わったら温泉に入り、疲れた体を温める。
これが嬉しい。

札幌近郊のスキー場では味わえない、至福のひとときである。

聞いた話によると、今の小樽商大のスキー授業は
「朝里川温泉スキー場」で行っているとのこと。
・・・時代を感じる。
・・・あの裏山が懐かしい。

(みょうてん)

写真:小樽市観光振興室