掖済会病院

 掖済会病院は、(一社)日本海員掖済会が運営する全国10病院のうちの一つとして昭和19年(1944年)に開設されている。

 開設の地は、現在地より300mほど海側に下りた色内1丁目浅草通り(日銀通り)に面していた。それが、稲一再々開発の一環として小樽グランドホテル、丸井今井小樽支店跡に平成27年(2015年)に新築移転してきたのだ。

 掖済会は船員に対する医療の提供などを目的に設立された業界団体であるのだが、ご存知のとおり船員ではない小樽市民も普通に受診している。

 30年以上前であるが、家内がここで腰の手術を受けたことがある。内視鏡などまだまだ普及していない頃で、40日以上の入院生活を送った。

 当時、内科に近江直仁先生という方がいて、その近江先生が亡母の幼稚園教諭時代の教え子だったことが分かり、大変良くしていただいた事を思い出す。

 10年ほど前であるが、私も右足小指を骨折した時、若竹町の小野整形外科医院から開放骨折の疑いがあると言われ、掖済会病院に転院したことがあった。

 担当は西雅子先生という女医で、嵐山通りにある西病院の娘さんだった。お父さんが私と同じ小樽南ロータリークラブメンバーだったので、早速例会時にお父さん先生に娘さんにお世話になってますとごあいさつさせていただいた。

 そうするとお父さん先生は、
 そうか、そうか、どうだ、あの娘はキツイから厳しいこと言われてないか
と聞き返された。

 いやいやそんな事ないです。優しく看てくれていますと返したのだった。

 その時は元気だった西雅子先生が亡くなられたとの訃報を聞いたのがそれから数年後・・・。私より若かったのだが・・・。ご冥福をお祈りする・・・。

 小樽市内には4つの大きな総合病院がある。掖済会病院はその一つで、市民からは病院を取って語呂がいいのか「掖済会」のみで呼ばれている。

 稲穂1丁目の現在地に移転して来る時に、正面玄関が寿司屋通りに面し、アーケード街に面するのが駐車場という事になり、雨風雪の吹き込みの対処に現在設置されている壁面が作られた。

 商店街の天井アーケード維持には、各店舗間口による負担金が発生しているのだが、駐車場分の長い壁面間口は、掖済会病院がちゃんと負担しているとサンモール商店街ヨシヤの東社長が教えてくれた。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年7月時点の情報に基づいたものです。