小樽の浅草寺

皆さんは、浅草寺と言われたらどこを思い浮かべますか?恐らく、東京にある浅草寺、雷門がトレードマークの“sennsouji”を思い浮かべるでしょう。

しかし、小樽にも浅草寺があるのをご存知でしたか?

さて、本題に入る前に、小樽駅から商大への景色を思い浮かべて欲しいです。串鳥を曲がり、富岡跨線橋をこえてコープの前へ。ここまでは皆さん同じでしょう。ジャズバー“オルタナ”から左右に道が分かれ、コンフォルテーボレで合流し、地獄坂へと突入します。

皆さんは左右どっち派ですか?ちなみに私は左派です。この時、右の坂の突き当りに何があったか思い出せますか?1本の柳の木が鬱蒼と生い茂り、どこか近寄りがたく、神秘的で、鳥居に似た門をくぐると別世界に行ってしまうような…ここからが本題です。これが小樽の浅草寺です。

東京の浅草寺と異なり“asakusadera”と読みます。樽住よりも札通生のほうが、明るい時間帯に登るので、思い出しやすいかもしれません。(遅刻ギリギリでそんな余裕ない人もいるかもしれませんが。)

私は樽住で、通るのはバイト帰りなので、暗くて何も見えず、石垣しかないと思っていました。そんな浅草寺、入口は虫が多く、水浸しで来客を拒んでいるようでした。しかし門を潜り抜けると境内は8月の真夏とは思えないほど涼しく、あんなにいた虫がピタッといなくなりました。

コンクリートの門からは小樽の街がとてもよく見晴らせます。このお寺は明治時代に建てられ、平安時代に作られた道内で最も古い仏像があるそうです。柳は電柱より高く、樹齢は百年近いかもしれません。漁業と金融で栄えた小樽だからこそこんなに古い建物が残り、漁師町の質素な風情を物語っているように感じました。

ちなみに、この坂を下った先には浅草跨線橋、浅草橋、浅草通りがあります。皆さんもぜひ、通学の合間に小樽を長年見守ってきた浅草寺に寄って百年近い歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

(リク)


※本記事の内容は2020年8月時点の情報に基づいたものです。

写真:眞柄 利香