藤澤心臓血管クリニック

 藤澤心臓血管クリニックは、小樽マリンホールの向かい側、稲穂3丁目にある、平成22年(2010年)開設の心臓血管専門クリニックである。私はここで平成26年(2014年)12月に、左脚下肢静脈瘤の日帰り手術を受けている。

 その年の秋、左ひざの内側に曲げると2センチほどの血管の盛り上がりが出来ていた。脚の疲れや自覚症状は全くなかったのだが、それを家内に見せると、これはきっと妙齢の女性にありがちなボコボコの血管のはじまりだ、という事になった。早速、ボコボコ血管除去で有名なこのクリニックに電話して、診察を受けることにしたのだった。

 電話してから2週間後の診察日、時間をかけて色々な検査をしていただいた後の診察結果は、まだまだ大丈夫だから10年位したらまた来てください。とのことだった。

 帰宅し、大事には至っていない事を家内に報告した。すると、どうせ日帰り手術なら今も10年後も同じだから、元気なうちに役に立たない血管なら取ってきたらと言われたのだ。何故かそれに納得して、改めて手術日の予約をした次第なのだ。

 院長の藤澤康聡(やすあき)先生は、京極町の電器屋の息子で、子どもの頃は野球とスキーばっかりやっていたと診察時に私に語っている。管内の京極なら私の後輩かと思い潮陵出身かと尋ねると、京極から札幌南高に進学したという。

 ということは、区域外入学条項で入学しているのかとすぐに理解した。私たちの時代にも、小樽から北海道一の進学校札幌南高に数名進学している。当時は450名定員の5%以下22名に区域外入学が認められていた。この22名の枠を目指して北海道内の秀才が集まり、札幌南高一般合格平均点が8割強の中、区域外入学者は合格平均点が9割を超えるという、北海道一の狭き門になっていた。

 ちなみに区域外受験者が5%未満の場合は、普通の受験生と同じ扱いなのだが、札幌南高だけは毎年5%以上の受験生があったと、高校教員だった亡父が教えてくれた。子どもの頃は野球とスキーばかりやっていたはずなのに・・・。天は二物を与えるのかと・・・。

 私の手術だが、全身麻酔をかけられ、目が覚めるとリカバリールームに移され左脚の鼠径部から足首までの間4箇所に穴を開けられていた。ミミズのような抜かれた枝葉血管は、ホルマリン漬けの状態で記念にもらって帰ってきた・・・。ほとんどの患者はいらないと言うらしかったのだが・・・。

 手術後、藤澤院長に、血管を抜くのはわかるのだが、抜かれた静脈本体は大丈夫なのかと聞くと、抜いた跡は自然に塞がるのだと教えてくれた。ミイラのごとく圧縮包帯でグルグル巻にされた左脚は、翌日の診察で外され、シャワーもOKとなった。さらに、一週間後、4箇所の抜糸をして、私の左脚下肢静脈瘤手術は無事終了した事となった。

 私のダンススクールでも、同様の手術を受けたことのある生徒さんが何人かいた。様子を伺うと、レーザー焼灼術と私と同じ血管を抜く方法を、両脚別々の方法で手術した方。片脚11箇所の穴を開けて血管を抜いた方など様々で、改めて自分は軽症だったと実感させて頂いたわけなのだ。

 そして、その時以来、ふくらはぎを圧縮する弾性ストッキングを履く毎日を送っている。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年6月時点の情報に基づいたものです。