小樽市廃棄物処理センター

 桃内の山奥に写真の小樽市廃棄物処理センターはある。ここは、北後志6市町村(小樽市・積丹町・古平町・仁木町・余市町・赤井川村)の広域でゴミ処理する施設である。待ちに待った平成19年(2007年)4月から供用開始している。

 私は、供用開始前から小樽市廃棄物適正処理審議会の委員を委嘱していた関係で、オープンしてまもなく審議会委員全員でこの施設の見学に来ている。

 研修室で施設説明のDVDを鑑賞した後、担当職員に対し、この施設の裏山が伍助沢に代わるゴミ埋立地で、その下に敷いてある防護シート構造や、当時話題のダイオキシン類の発生問題等、熱心に質問していた。

 その後、最新式の焼却炉2基、焼却灰を更に高温で燃やす溶融炉などの焼却施設を見学ブースから見て回り、ゴミ収集パッカー車がゴミを下ろすプラットホーム、リサイクルプラザなどを見学した。この施設ができたことにより、燃やせるゴミを全量焼却処分できる状況となり、またゴミ袋の有料化が実施されたことも相まって、小樽市では大幅なゴミ減量化につながった。

 思えば、伍助沢のゴミ埋立地が満杯になる前の平成11年(1999年)秋、小樽青年会議所メンバーとゴミの実態調査をした事があった。燃やせるゴミも燃やせないゴミも資源もすべてここに一緒くたに捨てていた当時、生ゴミから発生する異臭と、その生ゴミを狙うおびただしい数のかもめを見たときは、ちゃんと分別しないと世の中ダメになると思ったものだった。

 ゴミ埋立地は黒いカラス集団が占拠していると思っていたのだが、港町小樽の場合は、カラスより一回り大きなかもめが牛耳っていたというオチが付く伍助沢の見学だったのだが、新しいこの施設では、生ゴミが埋め立てられることがないので、異臭や多数のかもめの飛来はないという。

 パッカー車の運転手が言っていたことがある。大きなヤードに車から収集したゴミを下ろす時に、ガチャとガラス瓶が割れる音でもしようものなら、すべて下ろしたゴミを車に戻しやり直しさせられると。

 だからゴミステーションからの収集時に、目に見えて違反があるとそのまま違反シールを貼って置いたままにしておく。しっかりとしたチェック機能により、ゴミ減量、ゴミ処理施設の長寿命化を実現するということなのだ。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年6月時点の情報に基づいたものです。