潮見台の五百羅漢の坂

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国道5号線を築港方面に向かい、龍徳寺前の信号を真っすぐ続く坂道へと進むと、右手に小樽潮陵高校があり、そこを過ぎると道路は右に曲がっているのですが、正面にも坂道が続いているんですよね。

この正面の坂道は、道幅がぐっと狭くなり、さらに急勾配になって、いったいどこまで続いているのだろうといった感じで、ずっと先まで続いています。

この狭く急な坂道には名前がついていて、「五百羅漢の坂(ごひゃくらかんのさか)」と呼ばれています。住所は潮見台になりますが、ここも坂が多い地区ですよね。

五百羅漢の坂を上り出すと、坂道の右側には小さな川が流れていて、川沿いに建つ家には、家の玄関と道路をつなぐちょっとした橋が川にかかっているという、小樽ではちょっと珍しい光景を見ることができます。

さて、この急な坂道を息を切らせながら、途中左に、そして右にと曲がりながら上っていくと、ふと左手にとても立派な石垣が見えてくるのですが、この上に建っているのが「宗圓寺(そうえんじ)」です。

そして、ここ宗圓寺には、北海道指定有形文化財の「木造五百羅漢像」が安置されてるんです。

つまり、上ってきた坂道は、その五百羅漢像にちなんで、五百羅漢の坂と呼ばれているわけですね。

お寺の案内板によるとこの木造の五百羅漢像は、大半が江戸中期から末期のものだそうですが、古いものは室町末期〜桃山時代の作と思われるものもあるということで、その古さにビックリです。

五百羅漢像が、お堂内に整然と並んでいる様子は圧巻で、一見の価値があるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。あっ、もちろん車でも行けます(お堂内と五百羅漢像は撮影禁止のため写真はありません)。

今回は坂の話ということで、五百羅漢の坂を宗圓寺まで上って振り返ってみた風景が、掲載の写真ですが、ここまで上ってきただけあって、坂の向こうには小樽の街と港が見えました。

そして、それがまたいい眺めなんですよね。
やっぱり、小樽の坂を上ったら、まずは振り返ってみましょう。

(参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」「第9話 五百羅漢の坂(ごひゃくらかんのさか)」より)

写真:小梅太郎の「小樽日記」

(小梅太郎)