身近に歴史を感じる小樽

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北海道で歴史的文化遺産があるのは、函館、江差、小樽の3か所のみだとよく言われます。小樽は、先住民アイヌの人たちの言語で「オタルナイ」と呼ばれていましたが、明治2年に北海道開拓使が開設され、「小樽」という名称に落ち着きました。

そんな小樽の良いところは、街並みの綺麗なところですが、小樽の坂道を散歩していると、突然に歴史的建造物が現れます。

寿司屋通りのわきの小道の坂を上っていくと、風格のある木造2階建てが突然現れます。旧光亭です。普通の住宅の間に、確固たる存在感を示して建っていました。春の暖かな日差しの中、散歩気分で歩いていた私と母は「おお…」と声をあげました。そのころには小樽市指定の歴史的建造物ではなかったので、ずいぶん古い建物ね~と言いながら呑気に写真をぱしゃり。
帰ってから気になって調べてみると、東京にあった料亭、光亭の小樽支店として昭和12年に建てられたということが分かりました。今は北海製罐株式会社の社員用の施設「罐友倶楽部」になっています。
今回また偶然訪れてみましたが、冬のせいか、雪に包まれてひっそりとした雰囲気が一層に増していました。

気になって、この旧光亭のある東雲町を調べてみると、いくつかの歴史的建造物があることがわかりました。大正15年に建てられた、旧板谷邸。海運業などで財を成した板谷宮吉の邸宅で東雲町の高台に位置しています。さらに大正1年に「小豆将軍」として有名な雑穀商高橋直治が建てたとされる旧寿原邸。さらに時代をさかのぼった明治40年に建てられた小樽聖公会もすぐ近くに見ることができます。

日常生活のうちに古き良き時代を感じられるのが、小樽の良いところのひとつです。

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