メルヘン交差点から続く坂・三本木急坂

sanbongi_kyusaka

坂の街・小樽。
良くも悪くも、街中あちこちにある坂道は、小樽らしさでもありますよね。

なにせどこへ行くのにも坂ばかりですから、いちいち坂の名前を気にすることは少ないかもしれませんが、小樽には「船見坂」や「地獄坂」といった観光案内にも乗っている有名な坂をはじめ、結構名前がついている坂があるんですよね。

そんな坂のうちのひとつが、観光客で賑わうメルヘン交差点の小樽オルゴール堂の横から上っている、今回の「三本木急坂」です。

といっている私も、ここの坂に「三本木急坂」という名前がついていたとは、以前は知らなかったのですが、坂の途中には名前が書かれたプレートも掲げられてるんですよね。

この「三本木急坂」ですが、“急坂”というには、実際に上ってみるとさほど急ではないのですが、どうやら昔はほんとうにとても急な坂だったようなんです。
小樽市のホームページ内にこの坂についての記載があって、それによると、かつてはあまりの急坂だったため、2回にわたり道路を2メートルずつ切り下げたそうです。

ちなみに“三本木”という名前については、坂の中腹に三本のアカダモ(ハルニレ)の大木があったことに由来しているそうですよ。

この坂道の途中には、小樽市指定歴史的建造物の老舗の料亭「海陽亭(旧魁陽亭)」と「猪股邸」が建っているのですが、きっと古くから多くの人々が上り下りしてきた坂道なんでしょうね。
そう考えると、坂にも歴史あり、って感じでしょうか。

実は、この坂を上りきると、その先はそのまま信香町へ下っていく坂道が続き、左には歩行者が通るだけの急な下り坂があります。
先に下る坂が「山ノ上の坂」で、左の急な下り坂が「赤坂」という名前がついてるんです。

上るだけではきつい坂道も、このように坂の名前を知ったり、その背景が分かると、ちょっと興味がわきますよね。
(ちなみに、三本木急坂をのぼりきったところからの港の眺めはなかなかですよ。)

(小梅太郎)

参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」の「第6話 三本木急坂(さんぼんぎきゅうざか)」より

写真:小梅太郎の「小樽日記」