桜ヶ丘球場

sakuragaoka_baseball_field10

 小樽公園内に市内唯一の観客席付野球場の桜ヶ丘球場がある。8月に1年かけての外野芝張り替えなどの改修工事が、20年ぶりに終了したばかりである。

 山坂の街小樽と道内平野部の他都市を比べるのもおかしいが、野球、サッカーなどの野外スポーツ施設の少なさと設備環境も良いとは言えない状況だ。

 桜ヶ丘球場の歴史を振り返ると、昭和23年(1948年)、樽協(たるきょう)が初めて北海道代表として第19回都市対抗野球大会(社会人野球の全国大会)に出場を決めたことにより、市民有志がホーム球場期成会を作り、樽協単独チームのホームグラウンドとしてその年の9月に球場開きが行われたと、平成22年(2010年)上梓小樽野球協会「球史」に記載されている。

 そう、桜ヶ丘球場は市民のための市営球場としてではなく、プロ球団のように樽協のホームグラウンドとして開設されたのである。ただ、当初15年間で球場を整備・建設する計画であったが、市民からの出資金等の問題で、途中とん挫し小樽市に移管という形になったようだ。現在は、小樽市営「小樽桜ヶ丘球場」ということである。

 さて、私と桜ヶ丘球場であるが、最初に訪れたのが、昭和41年(1966年)春、拓銀と樽協のオープン戦であった。その後、緑小同級生と忠魂碑からタダ見しての北照高校の応援、中体連軟式野球準決勝での母校松ケ枝中学校の応援、潮陵高校応援団の一員として長ラン、白手袋、鉢巻のいでたちでの応援。北照の応援以外は、すべて最後は負け戦であった・・・。

 学生時代の昭和50年代後半には、仲間と作った草野球チームの練習試合ではじめてグラウンドに下りて、ダイヤモンドを駆け回らせていただいた。その頃は、まだ内野フェンスがコンクリート剥き出し状態であったが、ここで試合をする機会などまったく考えられなかったので、胸が小躍り真っ黒になりながら、楽しい時間を過ごさせていただいた。ちなみに現在は危険防止のため、内外野フェンスにはウレタンラバーが張り巡らされている。

 ここは北照高校が緑町から最上町に引っ越し、伍助沢に専用グラウンドができるまでは、北照野球部の練習会場として使われていたが、現在は中学生の硬式チーム小樽リトルシニアの練習会場として使われ、多くの有望選手を道内有力高校に輩出している。

 また、ここは小樽・後志地区高校野球の公式試合会場であるのだが、グラウンドの整備環境、駐車場等を考えると、管内他町村の球場、例えば黒松内、余市、蘭越の方が間違いなく上のランクに位置するのが悲しい現状だ・・・。

(斎藤仁)