うめや

umeya_sports

 昭和40年代、小樽には多くのスポーツ店があった。花銀商店街の新井スポーツ(閉店のまま)、アジアスキー(現在の柴田商店)、稲穂第一大通りに小川スポーツ(稲一再々開発仮事務所)、現在の寿司屋通り「町の」の場所には近藤スポーツ、そしてなんといっても現在も変わらず営業している公園通りのうめやスポーツなどが有名だった。

 その他に丸井、大国屋、ニューギンザの三デパートの中にもスポーツコーナーがあったので、そこらじゅうにスポーツ店があった。

 冬のスキーシーズンになると、どの店にも国内外メーカーのスキー板が並び、多くの親子連れの小中学生で大賑わいだった。その中でも、特にメーカー直営のアジアスキーとうめやスポーツが双璧だった。

 当時、うめやスポーツ主催、スキーのPR映画が市民会館で無料上映され、学校で友達が整理券を配っていたように思う。終わりの抽選会で、スキー板が当たるというようなイベントだった。定かな記憶ではないので断定はできないが・・・。
 まあそれだけ小樽の子どもたちにとってスキーは人気スポーツだったという事の表れであるのだが、現在の天狗山スキー場は2月の日曜日でもゆうゆうと滑ることができる・・・。

 うめやスポーツは北海道新聞夕刊「小樽なつかし写真帖」に多くの写真を拠出している村住家が、大正6年(1917年)稲穂町に創業した小樽運動具店の老舗である。

 現社長俊幸氏は、私の小樽JC時代の後輩にあたり、私が大変お世話になっている間柄だ。現在のうめやは、専門競技スポーツから生涯スポーツ用品への転換の時期の様だ。店先の一番目立つスペースには、アシックス、ミズノ、ナイキなど有名スポーツメーカーの、どちらかと言うと高齢者向けのウォーキングシューズが並び、かつて前面を飾っていた花形スポーツ用品の野球のバットやグローブ、メーカー品のジャージ、ゴルフ用品などは隅に追いやられているようだ。

 ゴルフシングルクラスの腕前の俊幸氏は道新文化センターのウォーキング講師として、受講生に正しい歩き方の指導を行っている。時代の流れに乗り遅れないよう、常にアンテナを張り巡らせている老舗の底力を示しているようだ。

(斎藤仁)