小樽の産業が集まった勝納川
小樽の市街地を流れる勝納川は、小樽の中でも比較的大きく二級河川に指定されています。
市街地を流れる川と言えば、勝納川の他には於古発川(おこばちがわ)が馴染み深いと思いますが、市内中心部を流れる於古発川が整備されて人工的なのに対して、勝納川は、護岸工事もされてはいますが、川沿いのあちこちに自然の姿をまだ残す、“川らしい川”ですよね。
途中、散策路もあったりして、のんびり散歩をすることもできますが、冬の期間は雪に覆われ、その中を縫うように流れる、自然の厳しい様子も見ることができます。
勝納川は於古発山山麓を源にしているそうですが、一般的には奥沢水源地でその流れを目にすることになりますよね。
川の上流にあたる水源地の奥沢ダムは2011年に廃止になっていますが、階段状に水が流れ落ちてくる階段式溢流路(かいだんしきいつりゅうろ)、通称「水すだれ」は今も残っています。
奥沢水源地からは、天神町、奥沢町、そして真栄町との町境を川は流れて行くのですか、国道5号線の高砂橋や南樽市場近くから、その流れを見る方が多いのではないでしょうか。
この勝納川についてちょっと調べてみると、昔はこの綺麗で豊かな水を利用すべく、川沿いには様々な産業の工場が立ち並んでいたそうです。
そう言われれば、今も工場が多く見られ、長靴でお馴染みのミツウマと第一ゴムの工場もこの川沿いにあります。
それに、良質の水を必要とする酒造りでは北の誉酒造があり、田中酒造亀甲蔵もこの勝納川の下流沿いですね(残念ながら、川沿いの雪の花酒造は、2010年に廃業してしまいました)。
普段は注目されることが少ない勝納川ですが、昔から小樽の産業の発展に重要な役割を果たしてきた川なんですね。
(おっと、勝納川と言えば、こどもの日に合わせて南樽市場横に掲げられる鯉のぼりや、秋に遡上する鮭は、今も風物詩として注目されてますね。)
(小梅太郎)