自然の世界への入り口おたる水族館
おたる水族館の海獣公園には、アザラシやトドといった、たくさんの海の哺乳類の他にペンギンが展示されている。
いや、展示されているというよりは生活している、といったほうがいいだろうか。海に向かってせり出したプールの中で、泳ぎ回ったり、寝たり、餌を食べたりと思い思いに暮らしている。
彼ら海獣たちが生活している海獣公園は、本館から少し離れた屋外にある。プールは海に向かってせり出すように作られていて、飼育スペースは海に面しているというよりは海そのもののようだ。
上を見上げれば普通にカモメやワシなどの鳥は飛んでいるし、ところどころに岩礁の名残と思わしき岩があるし、心地よい潮風をかんじることもできる。海だから当然波もある。
さらに驚いたのは、海を区切って作られたプールには海藻や魚までいたこと。実際には確認できなかったがウニやナマコもいるらしい。そこはほとんど海そのものである。
のちに知ったことだが、海獣公園の近くのエリアは国立公園に指定されているとのことだった。そのため、海獣公園の近くに野生のアザラシやトドがやってくることもあるという。海獣類やカモメ、ワシといった鳥が生息できるということは、彼らの餌となる生き物もたくさんいるということであり、この場所の環境の豊かさを表している。
おたる水族館は、国立公園にも指定されるほどの豊かな生態系のある大自然の中にある水族館だ。この場所は、動物たちが飼育下にありながら野生に近い姿を見せてくれる、全国的にみても数少ない場所だ。
豊かな自然は北海道の大きな魅力のひとつで、それを目的として多くの観光客が北海道の各地を訪れている。しかし、海は人間には簡単に立ち入れるところでもないため、多くの魅力がありながらもそれについて知るのは陸地以上に難しい。
小樽は海の街であることは多くの人が知っているが、注目されやすいのは運河をはじめ人の手で開発された港であり、小樽の自然としての海はあまり注目されていないように思われる。
おたる水族館は、あまり知られていない小樽沿岸の自然の豊かさと魅力を教えてくれる施設でもあるのだ。
(kento)
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※本記事の内容は2019年7月時点の情報に基づいたものです。
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