北照高校
高校野球の名門として全国的に名の知られた北照高校は、天狗山の麓最上2丁目に校舎がある男女共学の私立高校である。昭和55年(1980年)12月に現在地に移転する前は、緑2丁目の正法寺通りにあった。
現在その場所には病院とマンションが建ち「北照高校跡」の小さな石碑が緑第一大通り沿いにひっそりと置かれている。
北照高校は、小樽市内7校ある高校の中で、一番古い設立を誇る北海道内有数の私立高校である。創立は明治34年(1901年)、私立小樽商業学校として開校し、北海商業学校と改称、戦後の昭和23年(1948年)北照高校と再改称し現在に至っている。
近年は数多くのプロ野球選手を排出する野球部が有名であるが、スキー部も全国優勝7回を誇る名門で、数多くのオリンピアンを輩出している。また、今でもライバル双葉高校とともに、毎年インターハイ、選抜、国体などの全国大会で優勝もしくは上位入賞選手を排出している。
小樽スポーツ協会が毎年5月の定期総会前に、加盟団体の中で前年度全道大会優勝、全国大会入賞選手を表彰しているのだが、毎年北照スキー部から数名表彰されている。
ただ、残念なのは表彰されるのはアルペン種目の選手のみで、ジャンプ王国小樽と言われた面影はまったく無くなってしまった。
また、表彰選手のほとんどが、市外の中学校出身で地元小樽出身の選手は見なくなってしまった。
ただ、その選手たちが小樽の看板を背負い全国大会で活躍してくれていることにまったく異論はない。むしろありがたい限りである。
最近はサッカー部も道内では強豪の片隅に位置しているようで、札幌第一、北海、札幌大谷、室蘭大谷、旭川実業など第一グループにはなかなか勝てないのだが、第二グループとして、東海大札幌、札幌日大、帯広北などとともに頑張っているようである。
組み合わせの妙もあり、平成28年度(2016年)のインターハイ道予選で準優勝に輝き、晴れて全国大会に駒を進めたこともある。
最近の北照高校は、最盛期1000名を超えていた生徒数も、200名前後と5分の1程度となり、そのうちの半分近くが野球部員という状態が続いている。
また、北照ワインプロジェクトと称し、なんと高校生がワインを作るというキャリア教育を実践していると新聞やローカルテレビなどにも取り上げられている。
少子化という波の中、独自な路線を模索しながら、北照高校は伝統を繋いでいる。
(斎藤仁)
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※本記事の内容は2020年3月時点の情報に基づいたものです。
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