私たちの生活路から見る小樽

 小樽はレトロな街、そう言われることが多い。かくいう私もそう思っていた。
 今回の写真の地点は、小樽築港駅から山側に登って徒歩10分くらいの所である。私は三歳の頃から小樽に住み始めた。町に出るにしても学校に行くにしてもこの場所を通っていくのだ。

 今でこそ、この場所からの景色の美しさを知っているが、ほんの数年前までこの魅力に気付くことはなかった。なにせ私の生活の一部として暮らしてきたのだから。

 きっかけは3年前の夏休み、札幌から親戚が訪ねてきたときのことである。親戚から小樽を案内してほしいといわれ、小樽の観光名所と言われる場所を一通り案内し、私の家に帰る途中であった。
 親戚の一人が急に立ち止まった。それが今回写真にある場所である。

 彼女は、ここからの景色の方がきれいだと言っていた。
 ちょうど夕暮れ時であった。10年以上この場所を通っていても気付くことはなかった魅力を、彼女が教えてくれたのである。

 この場所からは、新しい小樽と昔の小樽が見える。
 正面のイオンはつい十数年前にできたものであり歴史は古くない。それに対して、他の建物は50年以上前の写真を見てもほぼ変化がない。
 そこに、新しいものも古いものも受け入れる、小樽の寛容な一面が見ることができると私は思う。この場所からは、潮まつりの花火も見ることができる。これも新しいものに寛容な小樽の感じがよく出ていると思う。

 小樽に来たときはレトロな部分だけでなく、新旧が融合する小樽も感じてほしい。

(plane)


※本記事の内容は2018年7月時点の情報に基づいたものです。