小樽のぬくもり

 私はこの春から小樽で一人暮らしを始めました。大学生活を始めるにあたり、ワクワクしていた反面、不安も大きかったです。友達はほぼゼロからのスタート、アルバイトも始める必要があり、毎日があわただしく過ぎていきました。

 そんななか、地元との違いに驚いたことがありました。それは、特にお年寄りの方々の温厚さです。見ず知らずの私に「おはよう」、「こんにちは」、「行ってらっしゃい」、「おかえり」などと、挨拶をしてきてくれました。
 私の実家はセキュリティの強いマンションで、プライバシー保護に特化しています。そのため、「ご近所付き合い」というものとは無縁でした。
 ですが、私はひそかに「ご近所付き合い」というものに憧れを抱いていました。そして、偶然にも、ここ小樽で私のちいさな願望が叶うこととなりました。ほかにも、ただの道端でお話をしてくれる方もいて、本当に心が温かくなりました。

 そこで、私は最も温かいなあと感じた場所である「シャロン」という喫茶店についてお話ししたいと思います。
 JR小樽駅から徒歩三分に位置しているこの喫茶店、モーニングもあり、夜まで営業しています。
 私が以前訪れたのはお昼時だったのですが、たくさんのお客さんであふれていました。友人と二人だったのですが、「もしかして場違いかな?」などと話していたところ、店員さんがわざわざ外まで来てくれて、笑顔で招き入れてくださいました。また、私たちが入店すると、「わあ、若い子が来た!一気に華やかになるねえ。」などといって話しかけてくださいました。

 もちろん、知り合いなどは誰一人としていませんでしたが、なんだか親戚で集まっているかのような、居心地の良い、そんな雰囲気に包まれました。
 帰る際も、店員さんだけでなく、その場にいたお客さんにも、「また来てね」と言われ、本当に心が温かくなりました。
 そんな、人の温もりを感じることが出来る小樽を訪れてみてはいかがでしょうか。

(マメ)


※本記事の内容は2018年7月時点の情報に基づいたものです。