できたてパリパリのなるとの半身揚げ
今ではその知名度は全国区となった”なると”。「小樽と言えばなると」という友人も少なくない。
あの半身揚げは豪快で、どこから食べようかといつもわくわくする。パリパリの皮は塩加減が程よく、身に染みている油は決してしつこくなくうまみが凝縮されていて、こうして思い出すだけでもいま食べたい!と恋しくなる味だ。
先日、なるとの半身揚げ食べたさに小樽にやってきた友人を案内した。以前はテイクアウトしたようで、この日はお店でできたてを食べたいと札幌からやってきたのだ。
友人と食券を買いながら、周りのテーブルに並ぶできたての半身揚げに目を輝かせる。皮が黄金色に照っているそれを、足や身を削ぎながら食べる人もいれば、大きめに切り分けてかぶりつく人もいる。
私は削ぎながらたべるほうだが、切り分けている途中で肉汁がこぼれ出てしまうと、やってしまった!と悔しくなるし、次来る時はもっと上手に食べようと決心するのだ。
試行錯誤しながら初めて一人で半身揚げをほぐしていた友人も、次はもっと上手に食べたいと言いながら噛り付いていた。
なるとではこれにお寿司も付けることができ、肉も魚もどちらも捨てがたいという人にはうってつけだ。肉を存分に楽しんだらお寿司で魚介のさっぱりとしたうまみを楽しみ、わさびのつんとした後味を感じながらまた鶏を味わうという贅沢はここでしかできないだろう。
店内奥のカウンター席では、職人さんがお寿司を握っている様子をうかがうことができ、今日は何のネタだろうと待っている間もわくわくするのだ。
遠方の親せきや友人に会う時には、小学生のころから、そして今もなるとの半身揚げを手土産にするととても喜ばれる。テイクアウトができることを知って、友人はさっそく家族のお土産にと一つ注文し、二人で駅へ向かいながら今度はどこからほぐせばうまく食べられるかを語り、リベンジを誓い合った。
友人と来る前に、もっとうまく食べられるようにこっそり練習しようと思っている。
(ざか)
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※本記事の内容は2016年2月時点の情報に基づいたものです。
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