塩谷の歴史的建造物「徳源寺」

先日、塩谷地区を巡ってきました。塩谷といえば砂浜の綺麗な海岸を思い浮かべる方が多いと思いますが、他にも気になるスポットがあるんです。

国道5号線で塩谷に向かうと、バス停「塩谷」のすぐ先に「徳源寺」というお寺への案内板が見えてきます。今回目指したのは、この徳源寺です。

国道から案内板のある道に入ると、カーブした上り坂になっていて、その先の右手に立派な木々に囲まれた徳源寺の境内が見えてきます。

実はこの徳源寺の本堂は、小樽市の歴史的建造物に指定されていて、境内に入ると正面にとても風格のある本堂が建っています。

小樽市のHP内に建物概要が掲載されているのですが、それによると、徳源寺は文久2年(1862年)にここより海寄りの場所に創立され、その後、明治30年(1897年)に現在地に今の本堂が建てられたということで、とても歴史のあるお寺なんですね。

近づいて見てみると屋根などの各所に装飾が施されていて、なんとも趣があって歴史を感じさせますが、本堂を建てた棟梁は水天宮も手がけた方だとか。

それにしても、この徳源寺の本堂の周囲には、とても立派な木々が立ち並んでいるのですが、巨木のクロマツとイチョウが3本ずつあって、それらは小樽市の保存樹木にも指定されているんです。

クロマツの樹齢は250年以上、イチョウは150年以上と推定されているとのことで(参考資料掲載時の樹齢なので現在はどのくらいかな…)、これまた歴史がありますね。中でも本堂に向かって左に立つ2本のイチョウは、途中で幹がつながった珍しい形をしてます。

ところで、この徳源寺の前には長い坂道が続いているのですが、この坂道は丘を越えてその先は塩谷駅まで続いていることから「停車場の坂」と呼ばれていたそうで、かつて塩谷で暮らしていた伊藤整も、汽車通学をするためにこの坂道を上っていたそうですよ。

ということで、今回は塩谷の徳源寺についてでしたが、本堂に樹木に坂道と、ここはとても歴史を感じさせてくれる場所でした。

※参考:小樽市HP内 「おたる坂まち散歩・第47話 停車場の坂〈前編〉徳源寺」及び「小樽市指定歴史的建造物 第59号 徳源寺本堂」

(小梅太郎)