五香復活!!
昨年の6月19日に惜しまれつつ閉店した五香が復活した。
と書いたが、復活したのは昨年の12月1日、もう半年経ってしまった。
復活の理由は、閉店後の休養で体力の限界だったオジさんの体調も回復し、娘さんがお店を継ぐことになったこともあり、おばちゃんとの3人で新しいお店を切り盛りしていくことを決めたという話だ。
本当に嬉しい限りである。
だって、もう35年以上前から愛してやまないお店だも。
とは言え、実は僕は五香の常連ではない。
35年以上前、半端なくビンボー学生だった僕は、お金がなくて五香になかなか行くことができなかった。
そんで、ごくごくたまにお金が出来た時にだけコソッと行っていた。
食べるのは決まって「中華丼の大盛り」。
逆に言えば、中華丼の大盛しか食べたことがない。
それが僕の財力の限界だったからだ。
それでも、この中華丼の大盛を食べるのが、僕にとってはこの上ない喜びだった。
たとえ常連でなくても、こういうスタンスでの「深い思い入れ」というのもあるのだ。
昨年、閉店と聞いて早速足を運び、
「これが最後」
と、中華丼にプラスして生まれて初めて餃子を頼んだのだが、残念ながら、閉店を惜しむ人で超満席状態だったため、餃子は売り切れていた。
これだけが唯一の心残りだった。
が何と、ありがたいことに復活!
そして先日、ついに餃子を食べることができた。
学生の頃は決して注文することがなかった餃子。
それを注文できたことに、私自身の成長を感じましたね。
半端なく美味かったですよ。
これからは、イチローのルーティーンのように、何を注文しても必ず餃子を付けることになるでしょうね。
ちなみに、写真にある新しい五香の向かいに写っているのが、僕が生まれて初めてひとり暮らしを始めた時のオンボロ(失礼!)アパート。
あの時のまま何も変わらず残っている。
3畳一間、台所なし、便所なし、風呂なし、家賃9千円。
電話もない、テレビもない、あるのは机とラジオだけ。
それが僕のひとり暮らしの始まりだった。
そして、少しのお金の余裕ができた時、その小銭を握りしめ、僕はこのアパートから五香に行っていた。
あれから、もう36年も経つんだな。
早いなあ、人生って。
そして、今度はそのすぐそばに五香ができた。
これも何かの縁かな。
復活した五香と、その向かいにある思い出深いアパート。
この風景をいつまでも残しておいて欲しい。
僕は、そう思った。
(みょうてん)