秋空
ある秋の初め、私たちは美しい空を見ていた。空はいつも青く光り輝いている。空を見るだけで心が洗われるような心地がする。空を近くに感じることで私たちは希望を得ているのではないだろうか。
この写真は小樽商大の体育館横の夕焼けである。最初はキラキラ輝くような青空を見ていた。次第に空は色を変え、雲が消えていった。
「雲が消えたね」
「雲を追いかけよう!」
私たちは雲に向かって走りはじめた。
しかし、雲は待ってはくれない。雲を追いかけることは夢を追いかけることと少し似ているかもしれない。だんだん空が陰っていく。空は私たちを試している、そう感じた。
光が差した。キラキラ光る一筋のオレンジの光。この光には魔法の力が宿っているかのように私たちを照らしていく。美しい光に照らされた私たちは今ならなんでもできる気持ちになっていた。
「きれいだね…」
思わずため息がもれる。空にこんな力があるのか、これは何か不思議な力が宿っているのかもしれない。どんどん光の数が増えていく、このオレンジの光を浴びればなんでもできそうな気がしてくる。
空は光を蓄え、この毎日のこの瞬間に放出しているかのようだ。輝く空にこんな秘密が隠されていたとは誰も想像していないだろう。空には何か隠されている、これは生命を健康に保つだけではなく私たち人類の心さえも満たしてくれるものなのだ。夕陽は私たちを待ってはくれない。私たちが自ら夕陽に追いつかなければならないのだ。
「さよなら、太陽!」
思わず言葉がこぼれ落ちる。太陽は空の一部となり私たちを見守る。そして一日の終盤にようやく舞い降りるのだ。
9月の秋の空はきれいで、こんな空を見ることができるのは小樽が自然に恵まれた土地だからではないだろうか。豊かな自然と美しい空はきっとセットだと思う。
(ペリカ)