小樽のお酒

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お酒は好きですか?
私の場合、若いころはよくお酒にのまれていましたが、今は若くもなく…、適度に楽しむことができるようになりました。

小樽にはおいしいお酒がたくさんあります。亀甲蔵で有名な田中酒造。毛無山の途中にある小樽ワイン。そして、銭函に大きな醸造所を持つ小樽ビール。

私はビール党なので、今回は小樽ビールを取り上げたいと思います。
小樽ビールの醸造所は銭函にあると書きましたが、発祥は小樽運河の近くにある「小樽倉庫No.1」という醸造所兼ビアパブです。「本物のドイツビールを日本に広めたい」という思いからこのお店が開かれました。この思いを形にするため、醸造責任者にはドイツからブラウエンジニアのヨハネス・ブラウン氏を招き、「ビール作りには水・麦・ホップ・酵母以外はなにも用いない」というドイツで受け継がれてきた伝統的な製法で作っているそうです。来日前、ブラウン氏が日本の水のサンプルをいくつか取り寄せたところ、小樽の水が最もドイツビールに適していると判断し、小樽で地ビールを作ることに決めたそうです。
ちなみに、ブラウエンジニアは、世界に約1500人しかいないというビールの醸造に関する最高のドイツの国家資格であり、最も尊敬に値する称号です。日本国内にはブラウン氏を含めて2名いるそうです。

「小樽倉庫No.1」の店内には、大きな仕込み釜が稼働しており、醸造過程の見学が気軽に楽しめ、また発酵する前の麦汁を試飲できます(見学無料・20分程度)。イベントも頻繁に開かれていて、参加する楽しみもあります。
遠くない昔、日本の居酒屋でも「見知らぬ人とその場で意気投合して一緒にお酒を楽しむ」という「居酒屋文化」があったと思いますが、個室の普及などによりそのような機会は絶滅寸前なのではないでしょうか。学生時代に行ったドイツパブで、そこにいた全員が輪になって踊った覚えがあります。そんな陽気なコミュニケーションが、今求められている気がします。

小樽ビールは、瓶入りであれば様々なレストランやスーパーにもおかれています。しかし、100キロ圏外に輸送することは、タンパク質と酵母の質がかわるということで許されていません。小樽で小樽ビールを楽しむ贅沢を、多くの人に味わってほしいものです。

(川)