旧手宮線
小樽は、北海道鉄道発祥の地です。
1880年11月に官営「幌内鉄道」が手宮と札幌の間で開通しました。その後、函館から小樽の鉄道が開通し、翌年に函館から札幌方面が一本の線路でつながります。これが現在の函館本線だそうです。
これによって、南小樽から手宮の間は支線となり、「手宮線」の名前が生まれ、この支線は、石炭輸送に重要な役割を果たしました。運んできた石炭を船に積み替えるための「手宮高架桟橋」(1911年に完成)など、当時の手宮の様子を再現したジオラマが「総合博物館」に展示されています。
さて、この旧手宮線跡地、今は散策路になっています。もちろんレールも保存されています。レールの上を歩くと、単純ですが『Stand by me』が頭の中に流れます。気分はリバー・フェニックスです。
小樽駅からも近く、休憩所もあり、観光客や市民の憩いの場として人気があります。
また、ここでは広い敷地を利用して、様々なイベントも行われています。
冬は「雪あかりの路」のメイン会場の一つにもなり、キャンドルの灯りの幻想的な情景が広がります。夏は、潮まつりに合わせて開催される「小樽がらす市」の会場となり、たくさんの風鈴が飾られて、涼しげで風情のある景色となります。(冬季も「冬のがらす市」として雪あかりの路の期間中、運河プラザで開催されています)
「小樽がらす市」と同じ時期に開催される「レールカーニバルinおたる」も、とても楽しいイベントです。旧手宮線の中央都通りから臨港線までの約450メートルの区間を、トロッコに乗ったり、レールチャリを運転して走ったりすることができます。
2012年に、幌内鉄道の全線開通から130年たったことを記念して、旧手宮線で軌道自転車を走らせる行事が行われました。これをきっかけとして、市民や観光客に旧手宮線の歴史的価値を知ってもらおうと翌年から「レールカーニバル」が始まったのです。今年もたくさんの人で賑わったようで、定番のイベントになりそうです。
世の中は車社会で、わたしも車を乗り回している一人ですが、だからこそ人力で移動するものって魅力的です。
(川)
参考 「小樽散歩案内」
レールカーニバルinおたる公式ホームページhttp://railcarnival.jp/
写真はレールカーニバルinおたる FBページより