祝津の高台にひっそり佇む恵美須神社

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小樽の祝津といえば、おたる水族館や小樽市鰊御殿で知られていますが、昔からニシン漁で賑わった、歴史のある地区でもあるんですよね。

祝津の海はとても綺麗ですし、ニシン漁で栄えた頃の番屋等の建物があったりして、観光スポットとしても面白くて私も時々出かけるのですが、今回はそんな祝津にある古い神社、「恵美須神社」について、ちょっと調べてきました。

祝津の町に入って、水族館へと向かう一本道の途中の山側に、朱塗りの鳥居が建っているのが目に入ります。場所は、祝津の三大網元の一つ、茨木家の「茨木家中出張番屋」の横のちょっと奥まったところです。

それが、その恵美須神社の鳥居なんですが、鳥居はあるものの、神社と思われる建物は、その位置からは見当たりません。そうです、社殿はその先の小高い丘の上にあるんですね。

鳥居をくぐってみると、階段の先には草を踏みつぶしただけの細い坂道が続くのですが、少し上っていくと、周囲の景色が開け、海側には祝津の漁港が目の前に広がります。

そして、そこから上りきったところに、小さな境内にひっそり佇む「恵美須神社」が姿を見せます。

この恵美須神社は、本殿が小樽市指定歴史的建造物に指定されていて、その建立は文久3年(1863年)とのことで、なんと江戸時代なんですね。その頃から、ニシン漁でこの辺りは栄えていたのでしょうね。

社殿はとても小さいのですが、その本殿は覆堂に収められているとのことなので、外から見ることはできないんですよね。それでも、その覆堂や拝殿も昭和3年から5年にかけて建築されたものとのことなので、十分歴史のある建物ですね。

境内には、小樽市の保存樹木にも指定されているクワとイチイが、立派な姿を見せています。

ちなみに、この神社の漢字表記の“恵美須”は、間違いやすいですよね。
“恵比寿”でも“恵比須”でもなく、“恵美須”なんですね。

こんなところにといったら失礼ですが、今はひっそりとしているこの祝津の高台に、江戸時代からこの神社が建っていたというのも、何だか不思議な感じがしますね。

(参考:小樽市HP内「小樽市 : 恵美須神社本殿」より)

写真:小梅太郎の「小樽日記」

(小梅太郎)