東香楼のあんかけ焼きそばが食べたくて

toukourou

小樽のソウルフードとしてあんかけ焼きそばが定着して久しいが、商大の江頭ゼミがあんかけ焼きそば事典を発売してから商大内にもあんかけ焼きそばブームが到来した。学生会館の食堂にてあんかけ焼きそばが期間限定で売り出したと思ったら学祭でも本物のシェフが腕をふるったり、最近は購買部でもレンジであたためて食べられるあんかけ焼きそばが発売し、商大生の私はゼミ室に持っていって美味しく食べている。

あんかけ焼きそばを出す料理店はそのいずれの店も有名店で、地元の人々に愛されている。ただ札幌から通っている私はつい最近までそのほとんどの店を知らなかった。小樽に住んでいる友達に噂を聞いては行ってみたい衝動にかられていた。

そんな中、初めて小樽で食べた本物のあんかけ焼きそば、それが東香楼のあんかけ焼きそばであった。
小樽駅前から運河へ向かってまっすぐ下り、パチンコのハッピー小樽駅前店の前を左折、鰹飯が美味いラーメン屋「渡海屋」の前を通り過ぎると東香楼はある。店内は20席ほどで、広すぎず狭すぎずとても落ち着いた大衆食堂といった雰囲気である。

いままで30年以上小樽で中華料理を出してきたこの店は、定番の醤油あんかけ焼きそばの他に塩味のあんかけ焼きそばがあるのだが、実は塩味は裏メニューで、「塩で!」と言わないと醤油味のあんかけ焼きそばしか出てこない。

もちろん醤油味も十分おいしいのだが、私は塩味のほうがあっさりとしていてお気に入りだ。固めのあんが焼き目のついた麺に絡まり絶妙な味わい。あと私はお好みでお酢をかける。最初はそのまま、徐々にお酢を足して最後のあんまで食べきる。あんかけ焼きそばは「食べきる感」が満腹感に直結してとても満足できる食べ物だと思う。

大学での授業を終え、小樽駅まで下ってきて電車の発車まで多少の時間がある時はほとんど東香楼へ行くことが多い。駅近というのはほんとにありがたいと思う。アクセスの良さとあんかけ焼きそばの満足感、これらが合わさり、私の中では東香楼は小樽駅付近イチオシの料理店となっている。

(菅原諒平)