奥沢水源地~豊かな自然と水すだれ

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勝納川の上流に位置する、昔から市民の憩いの場でもあった「奥沢水源地」。

国道5号線の奥沢十字街から山側に入って道なりにずっと進んでいくと、その通りの行き着いた先に奥沢水源地はあります。

ここ奥沢水源地は自然も豊かで、隠れた行楽地として春には花見、秋には紅葉を見に行ったりと市民にも親しまれ、私は今も時々出向くのですが、小学生の頃には炊事遠足で奥沢水源地に行った思い出なんかもあります。

近くでは蛇も出るのですが、実際に目の前に蛇が出てきて大騒ぎになったりして(笑)
そのような思い出を持った方も多いのではないでしょうか。

そして、ここ奥沢水源地と言えば、よく知られているのが、階段状に水が流れ落ちてくる階段式溢流路(かいだんしきいつりゅうろ)、通称「水すだれ」で、それはとても涼しげで美しい光景を見せてくれているので、この光景を見に来る方も多いようです。
(現在は水すだれを正面に眺める水管橋は、一時期を除いて普段は開放されていません)

ありがたいことに、小樽は水が美味しいとよく言われ、ここにも奥沢ダムがあり水道用として稼働していました。

しかし、残念ながら奥沢ダムはダム堤体に陥没が見つかり、2011年(平成23年)8月で廃止されてしまい、小樽市民の水がめとしての役目は終わってしまったんですよね。

ちなみに、奥沢水源地(奥沢ダム)は1914年(大正3年)完成ということで、この一帯の水道施設にはとても歴史があり、1985年(昭和60年)には「近代水道百選」に認定され、2008年(平成20年)には土木学会によって土木学会選奨土木遺産に選定されているとのことです。

今後は、この一帯を観光資源としてどのように活用していくかということで議論も進んでいるようです。

勝納川は勢い良く流れ、周囲の豊かな自然の中で、今も水すだれはその涼やかな姿を見せてくれています。

歴史があって、市民の思い出にも残るこの奥沢水源地が、これからも市民の憩いの場として、更には観光地として、水すだれとともに保存され、有効に活用されるといいですね。

(小梅太郎)