神社のお花畑

住吉神社には小さなお花畑がある。

小樽駅から歩くこと約30分。25度を超える夏日の中汗だくになりながらこの神社を訪れた。
大きな木々が日陰を作っており、ありがたいことにベンチもある。暑さと小樽の急な坂道で疲れた体を休めるには丁度良い場所だ。

正面のベンチには、小樽の住民であろうおばあちゃんが二人で談笑していた。いつもここで休憩を取っているのだろうか。私もベンチで友人と一休み。ここでアイスを食べられたらもっといいのにね。そんな話をしていた。

日陰のおかげで汗も引いたところで、神社のさらに奥に進んでいった。そこで目に入ったのが、たくさんのお花が浮かんだ手水舎なのである。花手水というらしい。花の色は寒色で統一されている。眺めているだけで涼しくなってきた気がした。

来る人はみなそこで写真を撮っており、中には一眼レフを用意している人もいた。水面に近づいて撮影すると、画面上いっぱいに広がるお花を残すことができる。まさにお花畑。

また別の場所には赤い鳥居が連なっており、手水舎と一緒に写真に収めることができる。

小樽に住む前の私は観光地の食べ物ばかりに注目していた。
しかし引っ越してきてから、「今日はこっちに行ってみよう」と様々な場所を訪れる機会が増えた。
住吉神社もそのうちの一つであった。きっと小樽に住んでいなかったらこの神社に気付かなかっただろう。小樽に住んで良かった。そう感じさせてくれた。

同時に、神社を訪れるのはお祭りや初詣の時だけではないんだ。と教えてもらった。ちょっと疲れた時に心をリフレッシュしに来るもよし、春には桜を見に来るのもよし。神社にこんなに楽しみ方があるなんて知らなかった。

こんな風に新たな発見をさせてくれるのが小樽だと思う。観光地が集中しているからこそ、少し離れたところには他の人が知らないような魅力が隠れている。

是非一度観光マップから手を放し、新たな自分だけの観光地を見つけてみてはどうだろうか。

(おたる子)


※本記事の内容は2021年7月時点の情報に基づいたものです。

写真:眞柄 利香