成田山不動院

 成田山不動院は公園通りミルクプラント向かいにある、小樽仏教会所属真言宗豊山(ぶざん)派の寺院だ。奥沢にある大きな不動明王像で有名な不動院とは、真言宗のお寺という事だけで、親戚ではないそうだ。

 第4世住職であられる門屋憲明師は、潮陵高校、小樽JC、小樽地区保護司会の後輩で、大変仲良くさせていただいている。

 また小樽仏教界所属5名のお坊さんで作っていたロックバンド「シャクソンファイブ」のリードギタリストとしての一面も併せ持っている。私は、ギターよりボーカルを受け持った方が良かったと思っている。それほど歌も上手いのだ。

 成田山不動院は、明治37年(1904年)憲明住職の曽祖父にあたる門屋真明師が、積丹の古平町で開基したのがはじまりだという。祖父の門屋実成師の時代、昭和3年(1928年)小樽で新たに開山している。

 昭和33年(1958年)古平を廃寺したことにより、仏像・仏具一式を小樽に移転した。この時に、全国的にも珍しい四国霊場ご本尊88体の木像仏も小樽に安置されたという。これが開山当初より、祈願寺として信仰を集めている所以である。

 現在は、四国八十八ヶ所霊場にあやかった北海道八十八ヶ所霊場の六十三札番の寺院になっている。

 住職のお父さん先代の第3世門屋隆成師は、小樽の花街ではとても有名な方だった。大変霊視の効く方で、多くのお店が先代のアドバイスを聞いてお店の発展につなげたと聞いている。

 私たちがライブ会場として使っていたおたる政寿司さんの「かもめ亭」では、ほとんど工事が完成していた状態で先代に視てもらうと、2階「エンペラー」との共用入口だとお客さんが来ないという霊視により、急遽「かもめ亭」独自の入口を作ったという逸話も残っている。

 年に数回イベントポスター貼付や協賛のお願いに不動院にお邪魔すると、美人の誉れ高い弥生奥さんが笑顔で対応してくれるのが、とても嬉しい事だ。
「先生が来ると、小樽も夏の野外ライブの季節だね・・・」
なんて言ってくれる。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年6月時点の情報に基づいたものです。