開店時間は「深夜2時」。久松というお店
小樽花園の飲み屋街の一角にひっそりと存在する食事処久松。その看板は指で丸を作った位の大きさで二文字「久 松」と書いてあるのみである。
「知る人ぞ知る」という言葉がピッタリなこの店、何といってもまず驚くのはその営業時間だ。開店時間は深夜2時、閉店時間は朝6時というむちゃくちゃさ加減。
そんな営業時間で客がくるのか疑問に思うところだが、不思議なことにいつ行っても大抵は2,3組の客がラーメンをすすっている。恐らくは夜中まで飲み歩き、〆のラーメン欲しさに暖簾をくぐったのであろう。わたしもここに来る理由は大方それである。
お店はママさんとその娘さんの2人で切り盛りしているらしく、小樽の昭和感が漂うお店にありがちな、とても無愛想な店主と雑な接客、なんてことは全く無くニコニコと酔っ払い達を迎えてくれる。わたしが見たところ客のほとんどがラーメンを注文するが、焼き鳥やおにぎりなどもあり、ボトルチャージも出来たりする。たまに明らかにメニューには載っていない物(肉じゃがの様なものなど)を食べている客もいるが、出所は不明だ。
さて、そんなラーメンの気になる味であるが、まず醤油と塩味の2種類がある。どちらもあっさりした味であり、ススススッと胃の中に納まってくれる、大変夜食もとい〆のラーメンにうってつけなものだ。
店構えは前述の通り、もし隣にラーメンと書かれた提灯がぶら下がっていなかったらそこが店であることすら解らないであろう。店の位置も中々複雑で、方向音痴であるわたしは何度も店近辺をぐるぐるまわったあげく結局たどり着けずに諦めるなんてこともあった。
そんな隠れ家的な食事処、深夜に小腹がへったのであれば散歩がてら探してみてはいかがであろうか。
(瑞)