観光船のりば
小樽港第3ふ頭基部に、小樽観光振興公社が運営する「観光船のりば」がある。この「観光船のりば」のある建物は、昭和33年(1958年) 北海道博覧会小樽会場の一部として、現在も第三ふ頭基部に残る上屋倉庫群共々建設されている。令和2年(2020年)で築62年を迎えた。
2階には小樽市の産業港湾部港湾室と小樽開発ふ頭が入居している。1階が小樽港から祝津、オタモイに向かう観光船と港内を遊覧する屋形船の「観光船のりば」となっている。祝津・オタモイ航路の観光船は小樽市の鳥である「あおばと」と称し、祝津航路最大84名の乗船可能な観光遊覧船である。
私がはじめて観光船に乗ったのが、小樽に引っ越してくる前年、昭和40年(1965年)の夏休みだった。美唄に住んでいた私たち家族は、お隣家族と小樽水族館見学日帰り旅行に来たことがあった。水族館からの帰り、せっかく海の街小樽に来たのだからと、祝津から小樽港まで船に乗ろうという事になった。
池の手こぎボートしか知らなかった小学1年生の私は、生まれて初めて体験する波しぶきに震えおののき、小樽港までの20分間は、ほとんど記憶に残っていない。下船したのは、小樽運河内の中央橋基部。現在の運河クルーズ船発着場あたりだった事だけはしっかり覚えている。
その観光船は「あおばと」のような立派な観光遊覧船じゃなかった事だけは確かだ。なにしろ波しぶきを浴びている・・・。しかし、屋内の座席もあったような朧げな記憶が蘇るが・・・。
それ以降、親戚が来樽すると、祝津まで車で行きオタモイ航路に何度か一緒に当時運行していた「祝津号」に乗船したことがあった。エンジン音が大きく、折角の観光ガイドがよく聞き取れなかったのが残念だった記憶が・・・。
この祝津航路の歴史は古く、旧高島トンネルができるまでは、祝津から小樽への生活の足として大いに利用されていたそうだ。観光船というより定期船の意味合いが強かった時代だと思う。
最大55名が乗船できる北海道唯一の屋形船「かいよう」には、私はいまだ乗船していない。船内での宴会に参加したことのある友人からは、乗るなら真ん中に座った方が良いと教えられている。真ん中の座席だけ掘りごたつになっているから、足腰が楽だというのが理由である。今年こそ、その機会に恵まれたいものだと思っているのだが。
余談だが、この「観光船のりば」は大泉洋主演、平成23年(2011年)「探偵はBARにいる」の記念すべき第1作の重要なロケ現場となっている。
(斎藤仁)
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※本記事の内容は2020年7月時点の情報に基づいたものです。
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