桜町中学校

 桜町中学校は、昭和37年(1962年)開校の、小樽では比較的新しい中学校である。戦後日本の学制改革で、昭和22年(1947年)に多くの新制中学校が開校している。小樽でも、旧制小樽市中学校だった長橋中学校以外の多くの中学校が誕生している。それから遅れること15年、桜町中学校は開校した。

 私が中学生だった昭和40年代後半、開校して10年前後の桜町中学校は、市内16校あった中学校の中で、ずば抜けてスポーツの強い学校だった。バスケットボール、バレーボール、野球、卓球等が強かった記憶がある。特に野球(軟式)は小樽後志を制するのはもちろんの事、全道大会ベスト4にも2回進出している。

 また、バスケットボール男女、バレーボール男女も強く、常に優勝か準優勝だったはずである。どの中学校もブロック分けやトーナメント表を見て桜町中学校と対戦したり、同じブロックだったりすると、もうやる気が半減している当該部活の同級生を思い出す。

 私が中学に入学した昭和46年(1971年)度まで、スキー競技の中体連小樽大会が行われていた。その年の12月か翌年の1月に開催したかは定かではないが、翌年2月が札幌オリンピックだったので、すべての行事前倒しでその年の12月に開催されたかもしれない。

 我が母校松ケ枝中学校裏山の松ケ枝スロープで、アルペン大回転競技を実施し、ここ桜町中学校でジャンプ競技が実施されたのだ。クロスカントリーは小樽公園を周回していた。

 今は既に撤去されているその20m級ジャンプ台は、グラウンドの法面をランディングバーンに利用し、法面上に教職員と生徒が作ったアプローチがあったのである。その手造りジャンプ台の話しが、新聞で紹介されたり、NHKのローカルニュースで放送されたりしていたので、その記憶が私の脳裏に焼き付いている。

 当時は、天狗山や潮見台はもちろんの事、市内各校に10m級、20m級の様々なジャンプ台が設置されていた。松ケ枝中学校にも小樽公園に設置されていた池田シャンツェを移設させた20m級の台があったし、向陽、北山、末広、菁園、長橋の各中学校にもあったと、小樽スキー連盟記念誌に記載されている。

 今だと安全基準やコンプライアンスの問題で、桜町中学校手造りジャンプ台での大会実施は不可能だったかもしれないと、ふと考えてしまう遠い昔の記憶であった。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年3月時点の情報に基づいたものです。