まや幼稚園

 まや幼稚園は緑町の浄土宗直行寺(じきぎょうじ)が運営する私立幼稚園である。
 2代目園長である野村定弘さんは、小樽青年会議所、小樽南ロータリークラブの先輩でもあるので、大変親しくさせていただいている。

 この界隈は私の小学校、中学校区域だったので、近所に幼馴染宅も多く、その昔は境内というか、園庭というか・・・よく遊ばせていただいた。

 まや幼稚園は、昭和28年(1953年)、現園長の亡父野村定玄さんの時代に開園し、同時に北海道知事より認可を受けている。私の同級生が通園していたのが、創立から10年目くらいの頃の事のようだ。

 私たち家族が小樽に移り住んだ昭和41年(1966年)、商大通り地獄坂中腹にあった自宅から、五重塔のような白亜の寺塔が近隣の建物から頭一つ飛び出していたのが良く見え、地域のランドマークとなっていた。その寺塔はまや幼稚園に隣接する直行寺のものであったのだが、子どもにお寺と幼稚園の住み分けなどわかるはずもなく、近隣の子どもたちはまや幼稚園の五重塔と呼んでいた。その寺塔も平成の大改修で姿を消し、個人的には少し寂しい思いがしている。

 私が通った緑小学校、松ケ枝中学校ではこのまや幼稚園と富岡町の藤幼稚園の卒園生が地域柄とても多かった。お互いがそれぞれを自慢し貶し合う様は、子ども心にその中に入っていけない疎外感を感じたものだった。

 最近のまや幼稚園との関係は、野村園長のご好意で、過去小樽南ロータリークラブ年末家族懇親会時に子供の遊び場作りのため、遊具をお貸しいただいた事が数回。また数年に一回ではあるのだが、早朝ラジオ体操例会に幼稚園の遊戯場をお借りしている関係で、何度か園内にも足を踏み入れさせていただいている。

 昭和30-40年代、小樽市内にも寺院運営の私立幼稚園が数多くあったのだが、少子化の波に購えず多くが閉園していった。現在まや幼稚園を含めて5つの寺院運営幼稚園が、小樽市内で仏教思想の元、幼児教育に勤しんでいる。まや幼稚園は地域に根ざし令和5年(2023年)に創立70周年を迎える事になる。

(斎藤仁)