時を刻む観光地

 「ポーッ、ポーッ、ポーッ」 

 

 毎日たくさんの人が行きかう小樽には大きな蒸気時計が素朴な汽笛の音を鳴らし、時刻を知らせてくれる場所がある。それまで縦横無尽に行きかっていた人々はピタリと足を止め、その音に耳を傾ける。ほんの一瞬の出来事ではあるが、そこには古く貴重な技術の中に落ち着きを感じさせてくれる小樽が存在している。 

 

 この場所は小樽駅を背にまっすぐ運河方面に下っていき、運河の南端から小樽築港方面へ約1キロメートルのところにあるメルヘン交差点という場所のオルゴール堂の目の前に建っている。名前の通りにキラキラしていて行くだけでいい気分になれる場所だ。 

 

 そのメルヘン交差点のなかでも、多くの家族連れやカップルが背景に写真を撮影しているのが、この蒸気時計なのだ。 

 

 この蒸気時計が設置されたのは平成6年、今から24年ほど前とそこまで古いものではない。製作者はカナダの時計職人であるレイモンド・サンダース氏で、カナダのガスタウンに作られたものの次に作られたのが小樽の蒸気時計であり、レイモンド氏が制作した蒸気時計は日本では小樽にしかないとても貴重なものである。 

 

 蒸気が出る仕組みはコンピューターで制御されており、1時間ごとにボイラーで蒸気を発生させるほか、15分ごとに汽笛が「キーンコーンカーンコーン」と5音階のメロディーを奏でるという仕組みになっている。私はここで学校のチャイムを思い出した。さらにポイントなのが、蒸気が出る回数がその時刻と同じ数になっているということである。つまり、最も多く蒸気が噴出される時間は、最も多く人が集まるお昼の12時となっており、この蒸気時計を最も楽しむことが出来る時間といえる。 

 

 これまでも、そしてこれからもこの小樽の地で観光客を見守りながら刻々と時間を刻んでいくこの蒸気時計の汽笛の音色から落ち着きのある小樽を味わってほしい。 

(ゆーきゃん)


※本記事の内容は2018年7月時点の情報に基づいたものです。