明峰高校

 明峰高校は最上1丁目、天狗山スキー場への一本道千秋通り沿いに面している男女共学の私立高校である。

 沿革を紐解くと昭和28年(1953年)小樽青峰高校という男女共学校として創立されている。昭和31年(1956年)、私たち世代に大変馴染みのある昭和高校と改称し、昭和35年(1960年)から女子高に用途変更した。平成7年(1995年)、創立時の共学に戻し、それに伴い校名も一新し明峰高校と改々称したということである。

 明峰と名乗って20年以上の時が流れ、市民からも校名が認知されてきた昨今である。ただ、昭和高校という名前で約40年間市民に浸透しているので、まだまだ昭和高校と呼ぶ中高年も多い。

 明峰高校の下隣マンションに、両親が晩年まで30年以上住んでいた関係で、私はこの高校の進化をくまなく拝見させていただいていた。

 マンション裏側に小さなグラウンドがあったのだが、平成4年(1992年)、そこに大きな新体育館が完成している。当然のことながら体育館がなかったわけではないのだが、それより一回り大きく立派な体育館が忽然と登場した。使われているのをあまり見たことがなかったので、なるほど土地の有効活用だなと思ったものである。マンションの真裏になるので、千秋通りからは全く見ることができない。明峰高校に改称する3年前の事である。

 後年、天狗山山頂から、眼下を眺めていると天狗山の麓、松ケ枝町上部に見知らぬグラウンドを発見したことがあった。どこのグラウンドかと車で松ケ枝町を探索していると、明峰高校グラウンドと書かれた看板を発見したことがあった。新体育館建設で無くなったグラウンドが、こんなところにあったのだと初めて知ったのである。高校玄関から1.5キロほど離れたところである。そして以前のグラウンドの2倍にも及ぶ立派なグラウンドだった。

 ある時、マンション入口掲示板に、明峰高校太鼓部からのお知らせが貼ってあり、今月の練習日と書かれ「ご迷惑かけないように・・・」と記載されていた。騒音に対する苦情が多発する昨今、事前に近隣住民に告知しているのだと感心したものだった。

 余談だが、昭和40年(1965年)から昭和高校・明峰高校に併設され、夜間の専門学校だった小樽看護専門学校が、平成17年(2005年)旧小樽短期大学西校舎に移転するまで、午後9時頃からマンションの前までずらっとお迎えの車が並んでいたのは、懐かしい思い出だ。

(斎藤仁)