天神浄水場
小樽市には3か所の浄水場が稼働している。ここ天神浄水場はそのうちの一つである。その昔は歴史的建造物に指定されている潮見台浄水場、奥沢水源地の奥沢浄水場も稼働していたのだが、現在は朝里ダムの豊倉浄水場、銭函川の銭函浄水場そして、この天神浄水場のみの稼働となっている。
この天神浄水場を初めてみたのは、松ケ枝中学校の炊事遠足で奥沢水源地に来た時だった。45年位前の事と思う。
炊事遠足での食事の後、仲間と上流への近隣探索に出かけた時の事、この写真に写る長い坂道を発見したのだ。そしてそこには天神浄水場の看板が掲げられ、坂の上には、真新しい建物が見えていた。
奥沢水源地入口には、奥沢浄水場と書かれた古い建物があり、奥沢水源池の水はこの奥沢浄水場で濾過されているのは中学生ながら知っていた。
はて、この天神浄水場とはなんぞや???
早速、仲間と関係者以外立ち入り禁止の看板を無視して、建物に向かい坂を上がって行ったのだ。そして、玄関左側にあった受付の小窓から、見学を申し入れたのだった。
係の人は、突然の中学生の訪問にも関わらず、快く見学を許可頂き、なんと施設見学させていただいたのだ。
その時に天神浄水場は、余市川水系の水を赤井川村の水源取水堰堤から松倉山をくり抜いた水路トンネルを通って、小樽市の水道水としている事を教えてもらったのだ。当時小樽は市内9河川から取水し水道水としていた。朝里ダムができる以前の話しである。
後に、元水道局の職員だった方が、私のダンススクールに入会した時に、その辺の詳細を聞いたことがあった。例えば、その水路トンネル、管理の為、人が歩く事ができるということ。そして、私の想像では、京極の吹き出し公園のように、水路トンネル内を水が勢いよく流れているイメージだったのだが、意外と水の勢いは弱いということ。
水に関する施設は、安全確保のため、関係者以外立入禁止が大前提である。私にとってこの天神浄水場に注がれる水路トンネルには、今後も立ち入ることはないと思うのだが・・・、どんなトンネルなのか覗いてみたい好奇心は衰えない。
(斎藤仁)