無量寿寺

 無量寿寺は手宮富士の中腹に位置する浄土宗のお寺だ。小樽で唯一大仏さんのあるお寺として、ガイドブックにも掲載されている名刹である。

 現在の住職は松尾香和師、昨年お父上を引き継ぎ住職に就任された尼僧さんだ。住職は私の潮陵高校、小樽南ロータリークラブの後輩で旧名の和歌子から、わかちゃんと親しみを込めて呼ばせていただいている。

 彼女から聞いた、この無量寿寺の由緒を少し紹介する。明治17年(1884年)に龍宮神社のそばに開基したのが始まりだそうだ。現在地に移転したのが、明治44年(1911年)。歴史的建造物に指定されている、小樽市公会堂ができたのと同じ年である。

 昭和31年(1956年)5月に色内小学校石炭庫から出火した、有名な稲穂町大火で、無量寿寺は類焼したのだが、ただちに再建に取り掛かったとの事だ。

 さて、松尾住職であるが、潮陵高校から駒沢大学へ進学されていると聞いた。駒沢は、私の檀家寺の大学なので、宗派が違うのは知っていたので、本人に聞いたことがあった。

 「わかちゃんって、駒沢だよね。駒沢は曹洞宗の大学だよね・・・」
 「その通りですよ。良くご存じですね」
 と、先輩を立てる事を忘れない気遣いの人だ。

 「浄土宗なら、大正大学とか仏教大学なんですが、なんとなく行きたくなかったので、同じ仏教系なら、駒沢でもいいかなって・・・。父を説得して許可貰ったんです・・・」
 なんとも、おちゃめな答えが帰って来た。

 このおちゃめなわかちゃん、昨年は、京都の浄土宗総本山知恩院に出向き、剃髪し修行の日々を送ってきたとのこと。

 修行から帰樽し、坊主頭を見たときはびっくりさせていただいたのだが、今は、普通の長さに整っているので、普通のお嬢さん然としている。

 今年平成30年(2018年)3月3日に、無量寿寺を使わせていただき、小樽南ロータリークラブ主催で、アレンジフラワーの講習会と夫人お食事会を開催した。もちろん、講習会講師はわかちゃんで、僧侶とフラワーアレンジメント講師、両方の肩書きで日々奮闘中であることを付け加えておく。

(斎藤仁)