小樽ゲストハウス
小樽ゲストハウスは、地獄坂の途中小樽商業高校上の坂道を上がった所にある4部屋しかないプチホテルである。今でこそ「ゲストハウス」という形態の宿泊施設が全国に多数あるのだが、その「ゲストハウス」という名称が一般的でなかった20年以上前から、小樽ゲストハウスは、ここで営業している。
元々は天狗山で手広くユースホステル、スキー学校等を運営している天狗山ファミリーという会社が経営していたのだが、現在はその立ち上げスタッフのお一人が、引き継いでいるとうかがっている。
天狗山ファミリーが運営していた頃、社長の横尾淳さんにここの事を聞かせてもらったことがある。とにかく自慢は料理と景色が最高だという事!!!
ただ建物が古いので冬が少し寒い。極力建物を建設当時のままで維持したいのだが、それがなかなか大変だと・・・。
この建物に関し、少々解説させていただく。平成28年(2016年)に小樽市指定歴史的建造物第84号に指定された旧杉森喜一郎邸である。昭和初期に建てられた鉄筋コンクリート2階建て、外側からは洋風な建物であるが、中には床の間、違い棚を備えた書院もあり、和洋折衷の建物という事が小樽市ホームページに記載されている。
余談を一つ。この小樽ゲストハウスのある坂道は、長らく袋小路であったのだが、この坂道の一番奥に遠くからもよく見えるグリーンヒルハイツという100戸超の大きなマンションがあり、この建物建設の為(紆余曲折あったのだが・・・)、商業高校下から最上町方面に抜ける道とこの坂道を20年以上前になるが、小樽市が市道としてつなげている。自動車教習所でみんなが手間取るクランクコースそのものがこの坂道上部に存在する・・・。
また、冬のこの坂道は谷側にあたる商業高校の方に少し傾斜しているようで、なんともドライバー泣かせの坂道である。小樽ゲストハウスのホームページにも、冬期間、運転に自信のない方は車での来館をやんわりとお断りしている。ただ、この坂道から車が学校側に転げ落ちたという話しは聞いたことが無いので、意外とみんな慎重に心して運転しているようだ。
話しは小樽ゲストハウスに戻り、ここの一階にはパスタクラブというイタリアンレストランがあり、大変人気がある。最大の自慢は、前述した小樽の街並みやフェリーの出船入船が一望できること。フェリーの汽笛が海風に乗って聞こえてくるここでの食事や宿泊は、至福の時である。
(斎藤仁)