みどり屋

 みどり屋さんは、浅草通り(日銀通り)の北海道ろうきん小樽支店前にある昭和22年(1947年)創業の和菓子屋さんである。以前は都通りアーケード街の中央通り寄りにお店を構えていたのだが、この地に移転してきた。

 小樽の人は、煎餅、かきもちと言ったらこのみどり屋を一番に挙げる人が多い。私の仲間にもここの大ファンがいた・・・。

 話しはすこし飛び、小樽市内の社交ダンス教室経営者が集まる会議というのがあり、小樽支部長を務める私の教室で開くのが常なのである。私の大先輩である前支部長の奥さん先生が、前述みどり屋の大ファンなのである。

 その会議には前支部長が退任されてから、代わりに奥さん先生が出席していた。その先生、休憩タイムになると毎回バックからおもむろにみどり屋の小袋あられを出し、会議用テーブル2つを合わせたところの真ん中に広げて、みんなにふるまってくれていたのだ。

 ある時、雑談の中で「せんべい」と「あられ」「おかき」の違いは何か???ということが話題になった。会議は毎回6名の参加で行われていたのだが、その奥さん先生以外の私を含む5名の男性は、さほど餅菓子に興味があるわけでもなく、
 どうなんでしょうねえ、地方により呼び方がちがうのでしょうかねぇ、
 まったくわかりません、同じものじゃないのでしょうか、
 とかいろいろな私見を述べていたのだが、

 そのみどり屋ファンの奥さん先生が、以下の説明をしてくれたのだ。
 なんでも「せんべい」はみんながたべているごはんのお米、「あられ」「おかき」はお餅のもち米がそれぞれ原料であるそうだ。あられとおかきの明確な差はないのであるが、主に大きさで商品名が付くと教えてくれた。「あられ」が「おかき」より小さいサイズのようである。

 さすがみどり屋ファンですねと声を上げ、みんなは新たな雑学の知識習得に、各教室での生徒さんとの話題にしようと喜んでいると、その先生、女の人はそんな事みんな知っているわよ!!!知らないのはあなたたちだけよ・・・と言って男性陣は笑い飛ばされてしまったのだ・・・。

(斎藤仁)