産業会館
小樽市産業会館は、国道5号線沿い浅草交差点に昭和31年(1956年)に建設された、多目的ホールを備えた4階建のビルである。厳密に言うと、建設当初より小樽市と電電公社(現NTT東日本)の共同名義で、小樽市の部分だけを産業会館というのが正式名称のようだ。
建設当時は周りに大きな建物が無かったので、忽然と現れた要塞のようだったと当時を知る人たちは言っている。
この産業会館の国道を挟んだ向かい側の高雄ビルに我が斎藤ダンススクールが入居している関係で、毎日産業会館壁面を見ながらダンスレッスンを行っているというわけなのだ。
昨年2月、この産業会館壁面と窓を忍者よろしく屋上からロープを垂らし4-5人が一斉に清掃をやっていたことがあった。向かい側の教室窓から、非日常の光景に、生徒さんと一緒にその高所作業をほれぼれしながら眺めていた。
ほどなく清掃も終了したようで、忍者清掃員のいなくなった壁面を見てみると、一か所の窓の下だけ清掃されずに残っていたのだ・・・。
早速、小樽市のホームページから問合せメールで事の次第を報告すると、産業会館の担当部署から、こんな内容のメールが来た。
「産業会館は、3階以上はNTTのものだから、清掃作業の詳細はわからない。ご提供された情報はNTT担当者に伝えます・・・」
ちなみに、その汚れは現在もそのまま残っている・・・。まあ、いいか・・・。
わたしが子どもの頃の産業会館と言えば、1階に名店街スーパー、そのまわりにテナントのいろいろなお店があり、会館内郵便局も静屋通り側、現在の京橋喫茶店のところにあった。その中でも、記念切手コーナーは私のお気に入りだった。
さて、時は大きく流れ、名店街スーパーも高齢者懇談会「杜のひろば」や郵便局に取って代わられ、空きスペースも目立ち始めた今日この頃の産業会館である・・・。
昭和40年前後、2階の大ホールでは12月になると各種団体がクリスマスダンスパーティーを開いていた。窓に映る煌びやかな光景に、ダンスに対する憧れを高めたと、思い出話を語ってくれた生徒さんがいた。
ちなみに現在は1階の商店街に迷惑がかかるということで、大きな音出しイベントには貸さない方針と聞いている。小樽税務署が警察署上の富岡から港町の合同庁舎に移動してから、産業会館の2階大ホールが確定申告会場となり、毎年2月中旬から約一か月間、人で溢れかえる季節を迎えている。
(斎藤仁)