小樽聖公会
小樽聖公会は水天宮のおひざ元、なんとその水天宮の鳥居の内側にあるイギリス聖公会のキリスト教会である。ちなみに一軒おいて下隣には日蓮宗本妙寺、更に道路を挟んで鳥居の外側すぐに天理教小樽分教会もあり、神社、仏閣、キリスト教会、新宗教が仲良くお隣さんを形成している。
私たちはこれにまったく違和感を感じず、過ごしてきたわけであり、日本人が世界に誇れる寛容な宗教観を如実に表していると思っている。ちなみに住吉神社界隈も同じような状況だ。
さて、この小樽聖公会は小樽の歴建に指定されている3つのキリスト教会のなかで一番古い明治40年(1907年)築の建物である。近年、NHK朝の連続ドラマ「マッサン」のモデルとなった、ニッカウヰスキー創設者竹鶴正孝夫人リタが通った教会として話題となり、一気に来訪者が増えたと聞いた。
また、この小樽聖公会前の石段では、フーテンの寅で有名な「男はつらいよ」の第15作「寅次郎相合傘」のロケ地となり、渥美清扮する寅さんとマドンナ役の浅丘ルリ子が、その石段に腰かけて談笑するシーンがあった・・・。
当時、盆暮れの寅さん映画は、ここから200メートルほど山側にあった公園通りの中劇映画館(現大型パチンコ店)で、家族みんなで欠かさず見ていた我が家の歳時記だった。
さてさて、この小樽聖公会前も毎度おなじみ愛犬の散歩コースである。築110年の建物には見えないくらいに綺麗に保存整備されている様が外見から見て取れる。
また、この丘から小樽公園方面への一本道(公園通り)の眺めはすばらしく、お勧めのビューポイントと言えるのではないか。
この歴史ある教会で、信仰を続けてきた人々の敬虔な思いが、慎ましやかな礼拝の場として、これからも続く事を願っている。
(斎藤仁)