公園通教会
公園通教会は、第三大通りと公園通りの交差点に建つ、大正15年(1926年)築の小樽市指定歴史的建造物の一つである。カトリック富岡教会、住ノ江カトリック教会、小樽聖公堂とキリスト教会の歴史的建造物が小樽市内には数々あるが、同じ公園通りに位置する小樽聖公堂に次いで古い建造物である。
創立当初は小樽組合基督教会と称し、戦前の主流派と言われる組合系(プロテスタントの一教派)のキリスト教会として布教を開始したと、小樽市図書館で閲覧した「小樽公園通教会創立100年記念誌」に記載されていた。
キリスト教の歴史が比較的浅い北海道に於いて、小樽は開拓当初の玄関口であったということもあり、明治期に前述した通り数多くのキリスト教会が誕生し、現在もその歴史を引き継いでいるところも数多あるという。
この公園通教会が、小樽市歴史的建造物に指定されたのが平成3年(1991年)7月。私は、同じ公園通りの一町ほど山側に昭和60年(1985年)からダンススクールを開設していたので、ご近所さんも指定されたという事で、その件が記載された北海道新聞小樽市内版をよく覚えている。
現在まで85番79件が指定現存されている小樽市歴史的建造物であるのだが、この公園通教会は、たしか30番目前後のナンバーがついているはずである。
あー、あそこの角の教会が歴建指定された???。そんなに古くて、由緒があったんだ・・・。
というのが恥ずかしながらの第一印象であった。それから近所ということもあり、外側からだが眺めたり、覗きこんだりしたものだった。
ある年のクリスマスの夜の事、教室終わりにこの教会前を歩いていると、いつも閉じられている玄関が開け放たれていて、教会内を伺い見る事ができた。
いわゆるクリスマス礼拝というのだろうか、奥の礼拝堂から多くのろうそくの灯と祈りを捧げる信者の方々の姿を観たことがあった。なんともいえない幻想的で厳かな光景だったのを覚えている。少しの時間だが、立ち止まって見入ってしまった・・・。
それからは、朝の愛犬の散歩コースや車で横を通り過ぎる程度のお付き合いしかできないのであるが、歴建ファンとしてはこれからも往時のまま残って欲しいと願っている。
(斎藤仁)