思い出の公園
小樽臨海線を北へ進み、旭橋を越えると右手に色内埠頭公園がある。
その昔、大小の漁船含め150隻もの船が集まったという色内埠頭の隣にあるその公園は、きれいに整備された多目的広場に始まり、広々としたグラウンド、ちょっとした丘の向こうには遊具や休憩場所が設置されている。
天気の良い日には、野球少年たちの声が響き、小さい子供たちが遊具で遊び、それを見守る親御さんたち、犬と散歩をする人、絵を描くご老人、岸壁で釣りを楽しむ人でささやかに賑わう。
私はこの公園に特別な思い入れがある。
私は大学のよさこいサークルに所属し、この場所で練習をしていた。広々としたグラウンドは、よさこいの隊列練習をするのにうってつけの場所だった。
隊列か揃うまで何度も何度もグラウンドを駆け回り、休憩時間には誰かが持ってきたサッカーボールで遊び、また練習をし、その地に足跡を残してきた。遊具で遊んでいた子供たちが音につられ覗きにきたり、散歩で通りかかった人に拍手を頂いたこともあった。
散歩中の犬が駆け寄ってきて、犬が苦手な先輩が猛ダッシュで逃げていたのは今でも懐かしい。海風で砂が舞い、雨で土がぬかるんでいることもあったが、日が暮れてくると、夕日がバックになり、そこは最高のステージへと一変する。
よさこい祭り本番のその日も、私たちはこの公園で直前まで練習をしていた。出発の前、降り注ぐ太陽の下流した汗、上手くいかず流した涙、そして様々な思いが染み込んだグラウンドに向き直り、一礼。ここで練習した日々を思い返しながら、会場に向かった。
冬の季節は雪で閉鎖されているが、雪が融け、花が咲き誇るころ、またこの公園によさこいの声が響くだろう。その頃になったらまた公園へ行き、今度は丘に腰を据え後輩たちを眺めていようと思う。
そしてまたここで練習した日々を思い返すのだ。
(オヤツコロッケ)