憩いの海

 小樽市色内3丁目12にある色内埠頭。
 石狩湾に面したこの埠頭は、中央下水終末処理場の施設の上部の、広いスペースを利用して、面積3.7haの都市公園として整備された。
 野球やサッカーができるようなグランドを持ち、また、子供が楽しめる大型複合遊具やベンチ、あずまやなど休日には多くの家族が遊びに訪れる。

 そして、この場所の楽しみ方はただの公園として、憩いの場としてだけではない。
海沿いという特性を活かして、釣りを気軽に楽しむことができる。まさにファミリー向けの釣り場ともいえる。
 この埠頭内ではどのポイントでも釣り竿を出すことができ、よく釣れるような場所では普段はいつも地元の人間で賑わっている。港街として有名な小樽だけあって多くの釣具店が点在していて、簡単に道具を調達できる。

 釣りシーズンとしては、6月から10月いっぱいにかけて。6月にはハゼやマガレイ、ウグイ、チカなど、7月にはマイワシが釣れる時期となり、噂を聞いた釣り好きの人々もこの埠頭に現れはじめる。8月9月と小樽では有名なシャコが釣れたり、サバが上がり始める。

 お昼ごろにやってくる、家族連れで釣りを楽しみに来た地元の人々は、たいていは日が沈みかけてきた頃に引き上げていく。確かに公園に隣接した場所であり、地元の家族には、心地よい潮風を感じられるような素敵な憩いの場であるが、暗くなると別の雰囲気を醸し出す。

 海を見渡すと夕日に映える海と夕雲の美しいコントラスト、綺麗な景色を楽しむことができる。
 小樽の山や坂など、高い位置から見下ろす街の夜景や運河沿いでのライトアップなどとはまた違った味があり、小樽の夏の情景の一つとして見る価値がある。
 ただ、真夏の暑い日であれば問題ないのだが、夏が終わりに近づいてくるような釣りシーズンでは、やはり日が沈みかけてくる頃は肌寒くなってくる。秋の夕空は感動的な美しさだが、冷えてくる時期は防寒対策をしっかりしたほうがよいかもしれない。

 ここは朝から晩まで飽きること無く居座れる、時計を忘れてしまうとあっという間に時間が過ぎてしまうような、そんな場所である。

(アンディ)