少し変わった異国の感じ方

小樽は港町であることから、古くには輸送業、またロシアとの交易で大変栄えた町だ。それは、100年ほど経った今も、小樽の随所にある建造物などによって感じられる。

山がちな土地から、海に面しながらも急な坂が多い小樽。
住むには苦労もあるが、絶景がそこかしこで見られる。

そんな小樽には数多くある坂のひとつである、外人坂を登ってみたときのことである。印象深い経験をしたので伝えたい。

たまたま、海外からの友人を連れ添って観光をしていたので、
せっかくだから外人坂へ行ってみよう、そんな簡単な理由で訪れた。

九月にはもうひんやりとする小樽だが、坂を登ると自然と汗ばんでくる。暑い。

バスや公共交通機関に慣れてしまったため、きついと感じてしまう。
やっとのことで登り終えたわけであるが、休憩をしようということで、一番眺めのいい階段上に腰かけた。

汗も引いてきたところでその絶景にしばし感動する。
写真を撮りつつ、会話をしつつ、私なりに楽しんでいたところ。
なにか聞こえるのである・・・!

船員の一人が外国語でなにか指示しているのが。
ほんとうに真後ろで言っているんじゃないかと思うほどに。

遠く先に見える港には船があり、どうやらそこでは船員たちが働いていると思われる。

いま思うと、もしその外国語を理解できていたら、
それほどはっきりとは聞こえていなかったかもしれない。

しかしながら本当になにか言っている言葉が聞こえたのである。
わたしは物理学的な分野に全く優れていないのでいまだわからないのであるが、きっと高台にいるからだろうか?
風に運ばれて、音声が聞こえたということなのだろうか?

なにしろそんな場所、場面で外国語を聞くとは予想していなかったから不思議ではあるが印象に残っているのであった。
もし外人坂へ行くような機会があったら、すぐに通り過ぎるのではなく、
ぜひ立ち止まるか腰かけるなどして一休みしてみてほしい。

(アマテラス)