旭橋

 龍宮神社からまっすぐ港に下りて、小樽運河を通り越すと龍宮岸壁がある。この龍宮岸壁と手宮側の色内ふ頭を結ぶのが、小樽唯一のアーチ橋、旭橋である。

 大きな川のない小樽では珍しく、比較的威風堂々とした佇まいを醸し出している。旭橋というと石狩川上流に架かる、旭川市内の旭橋が有名である。そちらが本家とすると、こちらは少々小ぶりで分家の分家・・・という感じではある。

 この橋をくぐって北運河に係留している船舶は出入りする。そのため、高さは小樽運河に架かる橋の中で一番高い構造となっている。

 人気の小樽運河クルーズ船は、中央橋発着で月見橋から一旦小樽港に出て、この旭橋をくぐって小樽運河に戻ってくるルートを取っている。ナイトクルーズの案内でも、この橋の下から街に向かってが、写真撮影の絶景ポイントであるという説明が入る。運河のガス灯と、臨港線の街並みに沿って延びる街灯のコントラストが素晴らしい。

 橋の門柱には、ご覧のように自然の石を置いたようなオブジェがあり、このあたりを散策する観光客の目を楽しませている。この石、残念ながら張りぼて。鋼板製で、叩くと鐘のようにカーンと響き渡ってしまう・・・。

 両サイドにはしっかりとした歩道が完備されていて、この橋から小樽港や小樽運河、さらにその先の街並みを眺めると、普段と違う風景に出会う事ができる。

 旭は朝日と同義、全国津々浦々に旭橋は存在するようだ。もちろんこの名称は、朝日が昇るのがきれいに見えるから付いたのだと、誰でも推測することができる・・・。

 小樽の海に沈む夕日は絶景と言われている。祝津パノラマ展望台、オタモイ海岸と夕日の名所は数々ある。実はそれと同じ位、小樽港に上がる朝日もすばらしいのである。しかし、早朝に上がる朝日は、なかなか拝められない悲しい現実がある・・・。

 それではここでどのくらい美しい朝日が見られるのか・・・。それは、朝起きしてご自分で確かめてみてください・・・。

(斎藤仁)