長橋なえぼ公園

 長橋なえぼ公園は、旧営林署苗圃跡地(31.1ha)を活用し、平成9年(1997年)から小樽市管理で市内最大の総合公園としてオープンした。なんと小樽公園(23.5ha)よりも広大な敷地面積を誇る公園なのである!!!

 明治26年(1893年)に旧営林署の苗木生産施設として、運用を開始したのだが、ここが「苗穂」になったのには、大変な歴史があった事を、ここのすぐ近所に住む、小樽ガイド倶楽部顧問の山川隆先生から聞いていた。その内容は次回のお楽しみとする。

 ここには明治の桜、大正の桜、昭和の桜、平成の桜と、各時代に植えた各種の桜3000本が、春に見事に開花する様は、正式な公園となる前から、市民には「長橋のなえぼ」という名前で親しまれていた。

 ちなみに、市民感覚的には長橋なのだが、正式な住所は幸である。まあ、長橋と幸の境目に位置しているという事は、ご理解いただけると思うが。

 私はこの公園に、平成19年(2007年)の初夏に一度だけ行ったことがある。小樽市内各地でいのちの植樹を行っている「北海道千年の森プロジェクト」が、横浜国立大学宮脇昭名誉教授を招いての、植樹地候補の現地調査にプロジェクト役員共々お供した時である。

 公園入口にある情報センター「森の自然館」を通り、中央遊歩道を歩くと多くの森林浴を楽しむ市民と出会う。公園内には小川も流れていて、ミズバショウが群生している。ブナ、ミズナラ、桜などの広葉樹の幹を走り回るエゾリスの姿に驚かされたものだった。

 街中で自然のリスに出会うとは思ってもみなかったので・・・。ただ、近隣の森林浴に慣れた市民は、リスの出現など、日常茶飯事で別に意に介さない。また、リスも逃げ惑う事もなく、人の傍にいたのには再度驚かされた!!!

 この日は会えなかったのだが、運が良いとクマゲラなどにも会えると、偶然会った長橋在住の知り合いは言っていた。

 中央遊歩道から、山側に小道が張り巡らされており、それらを縦横無尽に歩き回ると、かなりの運動量になる・・・。ちなみにその時は、靴がドロドロになってしまった。季節にもよるのだろうが、自然探索には、それなりの準備が必要という事である。

(斎藤仁)